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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

なぜ?女性たちが注目 イスラム文化【他社報道】

日本人女性の間でイスラムに対する興味が高まっているという報道です。
これは面白いですね。
しかし、文部科学省によれば、こういう人たちも国賊になるんですかね?
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なぜ?女性たちが注目 イスラム文化

アメリカ・トランプ大統領が主張する入国制限や、各地で相次ぐテロ…。欧米を中心に、イスラム教やイスラム教徒に対する「マイナスイメージ」があるのが現状ですが、皆さんも多少なりとも同じような感情を抱いたことはないでしょうか。しかし、そんな日本でいま、イスラムの文化や慣習に関心を持つ、「イスラム女子」とも呼ばれる若い女性たちが増えているようです。単なる好奇心か、その先に何があるのか。報道局遊軍プロジェクトの西河篤俊記者が取材しました。

国内最大級のモスクでの光景

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東京・渋谷区にあるイスラム教の礼拝施設のモスク「東京ジャーミイ」。住宅街にそびえるように見えるこのモスクは、80年近くの歴史がある、日本国内で最も大きなモスクの1つです。

イスラム教の集団礼拝がある金曜日には、都内や近郊から1000人以上のイスラム教徒が集まるといいます。出身を尋ねると、エジプトやトルコなど中東だけでなく、インドネシアやマレーシアなどのアジア。さらにはアメリカやヨーロッパ、アフリカ出身の人もいて、日本にいることを忘れそうです。お祈りの時間、モスクの中は、彼らで埋め尽くされ、入りきれない人は、建物の外で敷物を敷いて、熱心に祈りをささげます。

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その後の週末のある日曜日、モスクの様子は一変します。100人はいようかという日本人女性、それも20代から30代の若い人が多く集まっていました。その日は、「ヒジャーブ」と呼ばれる、イスラム教徒の女性の髪などを覆うためのスカーフを体験するイベントが開かれていました。

参加の理由を聞くと、「イスラムのファッションに、なんとなく興味があって」という答えが多数。気に入ったデザインや色のヒジャーブを手に取り、身につけてもらうと、スマートフォンで自分たちの姿を写真に撮って、友人どうし見せ合い、なんとも楽しそうです。「窮屈なイメージがあったが、自由で、最近はおしゃれになってるんだなと思った」とか、「かぶっているというより、包まれているような、安心感のようなものを感じる」などと話していました。

このモスクでは、毎週末、無料で開催している見学ツアーも盛況だそうで、ここでも目立つのは若い女性。「何気ない興味だけで、こんなに集まるのか!?」と筆者の私も思ったのですが、モスクの広報担当の下山茂さんは、「イスラム教はテロを起こすような宗教という、漠然としたネガティブなイメージを持たれている人もいますが、その一方で、日本の若い女性の間で、イスラムを知りたいと思って、見学に来てくれる人が増えていることは大変驚いているし、うれしい」と話していました。

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イスラムの食にも興味津々

そんな彼女たちの興味は、もちろん、食文化にもおよびます。東京・荒川区の谷中銀座にある中東料理店「ザクロ」を訪ねました。下町風情あふれる一角にありますが、店内に入るとまず目に入るのが、おびただしい数のつり下げられたトルコランプ。そのあかりの下にペルシャじゅうたんが敷かれ、客は、じかに座ります。大人の背丈ほどある巨大なラクダの置物がいやおうなしに雰囲気を醸しだし、毎晩、中東発祥と言われる伝統の踊り「ベリーダンス」が披露されます。

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1日に訪れる客は100人ほど。そのうち7割は20代、30代の女性で、増えているといいます。お目当ては、イスラム教の戒律に基づいた、豚肉やアルコールを避ける「ハラルフード」です。並ぶのは、世界三大料理の1つと言われるトルコ料理の串焼きのケバブや、煮込み料理など。ひよこ豆もありますし、彼女たちは、中東のレバノンや北アフリカのチュニジアのビールを片手に楽しんでいました。中には、いわゆる「おひとり様」の女性客もいて、中東で人気の「水たばこ」を試す人も。

来店の理由はシンプルです。「ハラルフードが健康やダイエットによさそうだから」とか、「店内の雰囲気が中東っぽくて、日本にいる感じがしないから」とか…。場が盛り上がれば、客全員でベリーダンスです。店長のサダットレザイさんは、こう話します。「ここに来る女性客たちは、『イスラムや中東というと怖い』とも言わないし、気にしてもいない。イスラムや中東がブームになっているように感じるし、時代が変わったのでは」。

なぜイスラムに惹かれるのか

「イスラムと女性」に詳しい慶應義塾大学総合政策学部野中葉専任講師は、流行に敏感な女性たちにとって、「イスラム文化は“未体験”という純粋な魅力があるから」と分析します。

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「かつては西欧的なものに惹かれる女性たちが多かったが、西欧的なものは、すでに世の中にあふれていて、次に、“韓流”など、アジアがブームになった。それで、今、『まだ知らないフロンティア』みたいな世界がイスラムにあるんじゃないかという感覚が若い女の人たちの中にある。政治的なものと文化社会的なものとを分けて考えていかないと、この現象は見えてこない」

興味と関心の、その先に

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流行にとどまらず、イスラムをもっと深く知りたいという女性もいます。派遣社員として働く、小笠原香奈子さん(28)も、その1人です。学生時代には、イスラム教や文化に対する関心も知識もなく、今の仕事もイスラムとは関わりはありません。自身を、「外国語は苦手だし、海外で国際貢献活動などに挑戦する経済的な余裕も時間もない、”どこにでもいるごく普通の女の子”」と分析する小笠原さん。2年ほど前から、ニュースなどで「イスラム」という言葉を耳にするうちに、漠然と興味を持つようになったといいます。

今では、イスラムに関心がある女性たちにSNSで呼びかけ、2、3か月に一度のペースで「女子会」を開き、交流する機会を持っています。集まるのは、日本の女性からイスラム圏の外国人までさまざま。交流会を開く理由は、「ニュースやインターネットなどを通じて得る間接的な情報だけに頼るのではなく、実際にイスラム教徒や文化に触れてみることで、自分自身で学び、知りたいー」

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イスラム教徒の友人もできました。今、親しくしているのが、会を通じて知り合ったインドネシア人のアミータさんです(22)。アミータさんと、仕事から結婚観など”生き方”についていろいろな話をするうちに「漠然とした興味」は、「深く知りたい」という気持ちに大きく変わっていったと言います。たとえば、2人でいる時も、決められた時間になるとアミータさんは、お祈りを始めます。人目の少ないところに移動し、地面に膝をついて…。小笠原さんは、その邪魔をしないよう、遠くから見守ります。

「イスラム教徒の女性はイスラム教徒としか結婚できない」というアミータさんの話も、最初に聞いた時は、衝撃だったと言います。「そんな厳しい宗教はちょっと…」と頭をよぎったこともあったという小笠原さんですが、理解が深まるにつれ、ものの見方にも影響を与え始めます。

「イスラム教徒にとっては、イスラム教は昔からあって、生活するうえでの基本となるもので、それを否定する必要はない。まずはそれを知ることで、自分とは異なる価値観を尊重することの大切さを考えるようになった」(小笠原さん)。

取材を通して

私は、おととし夏までの3年間、中東に駐在していました。当時は、イスラム過激派によるテロが頻発し、取材に奔走していた記憶がありますが、一方で、一緒に働く現地のスタッフや近所で生活する人々も大半はイスラム教徒であり、彼らはいたって普通の市民でした。テロは、決して許されるものではありませんが、「イスラム教=危険、過激」といった画一的なネガティブイメージで、そうした人たちを理由もなしに排除する、避ける、という雰囲気は、欧米を中心に世界でさらに強くなっているようにも見えます。

今回の取材で話を聞いた女性たちの多くは、実際にイスラム圏を訪れたり、暮らしたことはなく、イスラムや国際、政治情勢についての知識も、決して詳しいようには見えませんでした。逆に言えば、「まっさらな」下地があって、先入観ではなく、実際に触れたり見たり話したりすることを大切にしているとも感じました。

それは、「寛容さが足りない」とも言われる現代社会の中で、偏見や固定観念といった「色眼鏡」では見ないということであり、その興味と行動力は、多様な社会を受け入れるためのヒントであり、ごく自然なふるまいなのではないか。自分よりも一回りほど年下の女性たちを取材しながら、感じました。


by hiroseto2004 | 2017-04-05 07:51 | 国際情勢 | Trackback