仏大統領選はマクロンvsルペン・・・新自由主義と戦争が止まらなければ5年後は「ルペン大統領」のおそれも
2017年 04月 24日
フランス大統領選は、23日、第一回投票が行われ、中道の無所属で前経済相のマクロンと極右のルペンが決選投票に進みました。
決選投票でおそらく、マクロンが勝つでしょう。
しかし、マクロンが大統領となったとしても、新自由主義をかたくなに進め、さらに中東を空爆しまくれば、どうなるでしょうか?
おそらく、五年後にフランスを「ルペン大統領誕生」のピンチが襲うでしょう。
マクロンは、新自由主義に対する人々の不安や不満に謙虚に耳を傾けるべきです。
また、シリアを含む中東への「空爆しまくり」を止めないと、難民はさらに増えるし、フランスがテロの対象になる可能性も上がる。それがさらにルペンを勢いづかせるという悪循環になりかねない。
新自由主義と戦争が止まらなければ、2022年のフランスに五年遅い女性版トランプ、十年遅い女性版安倍晋三が誕生することは間違いないとも思うのです。
他方で、泡沫候補とされていたメランションが、有力4候補入りして、2割近い票を得たことには、希望はある。というか、メランションがルペンへの「刺客」となって、ルペンの一位を阻止した面もあります。
23日に実施されたフランス大統領選の第1回投票は、投票終了直後に発表された出口調査で、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が5月7日の決選投票に進む見通しとなった。
妻の不正給与疑惑が打撃となり支持が伸びなかった中道右派・共和党のフィヨン元首相は敗北を認め、決選投票でマクロン氏を支持すると表明した。
仏内務省の開票速報によると、2000万票時点ではルペン氏の得票率が24.38%、マクロン氏22.19%、フィヨン氏19.63%、極左候補のメランション氏18.09%だったが、大都市で作業が進むとマクロン氏が逆転。有権者数4700万人中ほぼすべての4600万票の開票が終了した時点で、マクロン氏23.82%、ルペン氏21.58%、フィヨン氏19.96%、メランション氏19.49%となっている。
イプソス/ソプラ・ステリアの出口調査によると、マクロン氏の得票率が23.7%、ルペン氏は21.7%。ハリス・インタラクティブの調査では、マクロン氏23%、ルペン氏22%。Ifopによると、マクロン氏23.8%、ルペン氏21.6%となっている。
パリでは、出口調査の結果が報道されると、マクロン氏の支持者らが歓声を上げ、国歌を歌うなどした。
マクロン氏は、「私はナショナリストの脅威に立ち向かう愛国主義者の大統領になりたい」と述べ、支持を呼びかけた。
ルペン氏は支持者らに「この選挙の最大の争点は、われわれの文明をリスクにさらしているグローバリゼーションの蔓延だ」と訴えた。
フィヨン氏は会見で、敗北の責任は自分にあると述べ、今後はマクロン氏を支持する方針を示した。
マクロン氏は、金融市場が歓迎する穏やかな規制緩和路線や、財政健全化を掲げる。対するルペン氏は、減税や社会保障の拡充、さらに欧州連合(EU)からの離脱を訴えている。
決選投票の結果がどうなっても、60年にわたり中道左派と中道右派の主流派が担ってきたフランスの政治を大きく変えることになる。