イデオロギーに殉じた橋下と融通無碍な小池
2017年 04月 25日
イデオロギーに殉じた橋下徹と融通無碍な小池百合子
同じ新自由主義者でも、橋下徹さんと小池百合子さんは「柔軟さ」が全然違います。
橋下徹さんは最後のところで、やはり、「自治労・日教組打倒!」というイデオロギーに殉じたと思う。潔く散った、という感じがする。敵を作って、求心力を高めるというのもなかなか長続きしないものだ。
本当に、都構想を通したいなら、自治労や日教組にも裏で手を回しておくとかそういうことをしたはずだが、それをしなかったとみられるところは「潔い」。
団塊世代の公務員や正社員の既得権を憎む団塊ジュニアの高学歴ワープアには結構ウケたし、団塊ジュニア高学歴ワープアから維新議員という人も結構いる。
しかし、大阪を除けば一定以上の支持は広げられなかった。
小池百合子さんは、全く逆に、自治労・日教組を含む「連合」や、生活者ネットワークまで取り込んでしまった。本当のことを言うと、小池新党の票田の実態はちょっと昔の民主党の看板を掛けかえただけに近い。生活者ネット+連合+一部極右(昔なら板橋の都議・土屋たかゆきさんみたいな人)が支持基盤で、石原都政にもほとんど賛成という実態は、東京民主党そのものなのだ。しかし、そこは、小池さん自身が長年自民党の閣僚までやっていたのでロンダリングされている。
もちろん、両者が置かれた立場の違いはある。
東京都は財政が豊かだから、積極財政政策を取って、共産党でさえも予算案に反対しにくいようにしてしまった。
大阪は没落傾向でガタガタだった。橋下さんの主な支持基盤の自民党の旧来型ボス+団塊ジュニアの既得権憎悪派を満足させるには他の層に関する既得権を削るしかない。
そこで、ああいう橋下政治になってしまったのだろう。