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by hiroseto2004

米独対立、イランでも注目

アメリカとドイツの対立は、長年、アメリカの制裁を受けてきたが、核合意後は、欧州との関係強化を進めているイランでも注目されています。



アメリカとドイツの間の言葉の応酬は、アメリカのトランプ大統領がツイッターでドイツを批判したことから、新たな段階に入りました。

トランプ大統領は、アメリカとドイツの貿易関係、軍事関係は不公平で、アメリカの損失になるとしました。トランプ大統領は30日火曜、ツイッターで、「ドイツとの貿易関係がアメリカに利益をもたらしたことはなく、ドイツはNATO北大西洋条約機構に対する財政貢献が不十分だ」としました。同時に、ドイツの対米黒字も批判しました。

今回のドイツを批判するトランプ大統領の発言は、ドイツのメルケル首相が、「EUは自立すべきであり、同盟国を完全には頼れない」と語った後に行われました。メルケル首相は選挙集会で、イギリスのEU離脱に関する国民投票の結果とトランプ大統領の就任を批判していました。

アメリカとドイツの政府高官による、このような言葉の応酬は、近年でも類を見ないものです。ドイツとアメリカは、第二次世界大戦後、非常に緊密な関係を開始しました。終戦後、アメリカ軍がドイツに駐留してきましたが、同時に両国は、政治、経済、軍事、安全保障のすべての分野において、互いに協力を行っていました。アメリカは、西側世界の、ドイツはEUの旗手として、国際関係において重要な役割を担ってきました。

とはいえ、アメリカとドイツは、戦略的な協力と平行して、対立が浮き彫りになったこともありました。例えば、2003年のアメリカによるイラク侵攻時、当時のドイツ政府はブッシュ政権に同調しませんでした。これを受け、当時のアメリカのラムズフェルド国防長官は、ヨーロッパを新旧に分け、新しい部分である東側の国々との関係強化を求めました。それにも拘わらず、アメリカのイラク侵攻による騒動が収まり、ドイツにメルケル政権が誕生すると、アメリカとドイツの関係は修復しました。

現在、トランプ大統領を代表とする、アメリカの高官のナショナリズム的な発言により、アメリカとヨーロッパの関係が弱まっています。アメリカの現政権は、NATOの防衛支出の負担を公平に分担するよう要求しました。一方で、ドイツをはじめとするヨーロッパは、このようなアプローチは、アメリカの責任逃れだと考えています。また、“アメリカ・ファースト”というトランプ大統領の保護貿易政策は、ドイツをはじめとするヨーロッパの経済的な利益を脅かすものです。

こうしたことから、アメリカと一部のヨーロッパ諸国によるNATOやG7の首脳会議の後、言葉の応酬が高まったのも不思議なことではありません。

一部の兆候は、大西洋の両側のナショナリズム的な傾向が鎮まらなければ、アメリカとヨーロッパの乖離が始まることを示しています。そのような流れは、イギリスがアメリカに、ヨーロッパがロシアに近づくことにつながる可能性があるでしょう。


by hiroseto2004 | 2017-06-01 00:59 | 国際情勢 | Trackback