個々の現象に過剰反応するより、朝鮮戦争の正式終結を急ぐべきだ
2017年 08月 29日
29日5時58分頃、朝鮮がミサイルを発射し、日本列島上空の宇宙空間を通過し、6時12分頃にロシアが実効支配する千島列島の南東海上に着水したと見られます。
予告もなしにミサイルを発射したことは飛行機や船舶の安全という問題に限定しても危険です。
一方で、朝鮮戦争が法的に終わっていないことが核・ミサイルを含む諸問題の根本にあります。
今回、ミサイルが上空を通過してから新幹線が止まりましたが、来る前に止めるならともかく、通過してから止めても、殆ど意味はありません。
また、大気圏外は領空ではないので、そもそも領空侵犯でもありません。ですので、日本に落ちてくるケースを除けば、個別的自衛権に基づく迎撃と言うこともあり得ない。実際に自衛隊は迎撃(破壊措置)をしませんでした。
このように、個々の現象に過剰反応するよりは、まず、戦争の終結を急ぐべきです。
冷戦時代には、朝鮮のミサイル実験どころか朝鮮による大韓航空機爆破、さらにさかのぼってラングーン爆破事件など、実際に人が死ぬ事件が起きまくっていました。余り知られていないが、韓国が日本国内で北部朝鮮への帰還事業を担っていた赤十字社への爆破テロを計画したこともあります(1959年の新潟日赤センター爆破未遂事件)。
戦争が法的に終わっていないというのはそういうことです。そして、戦争が法的に終わっていないと今後も偶発的な衝突の危険が増します。
ちなみに今回は着弾点は日本の襟裳岬などよりもロシアが実効支配する千島列島にはるかに近いのです。
「襟裳岬の東方1180km」という表現より「千島列島南東海上」という言い方が正しい。
日本よりも実はロシアの人たちにとっての危険があったのが今回のミサイルではないでしょうか?そういう意味でロシアももちろん含めた枠組みで朝鮮戦争の法的終結を目指すべきです。
個々の事象に過剰反応するのはよくない。
しかし、他方で、戦争状態をこのままにしておくのもまずい。
そう考えます。6カ国協議なり、北東アジア非核地帯条約への動きなりを進めていくべきです。