戦争をこれ以上拡大せず、終結への出口戦略を描くことが大事だ【衆院選2017】
2017年 10月 03日
戦争をこれ以上拡大せず、終結への出口戦略を描くことが大事だ
安倍晋三は、2015年1月、イスラエル国旗の前でISに宣戦布告した。
安保法よりもすでに前に日本は「戦時中」であった。
本当のことを言うと、2014年8月には日本はすでに「有志連合」だった。
安倍総理は、国民に断りもなく「宣戦布告」をしているのである。安保法は、安倍が勝手に始めた戦争を現状追認したということだ。
ハッキリ言って、日本国内でもいつ、テロが起きてもおかしくない。現代の戦争は、「正々堂々、やあやあ我こそは」で軍隊同士がぶつかり合うものではなく、「非対称な戦争」がなのだ。
実を言えば、国連PKO以外の枠外で、既に2001年911テロ後のテロ特措法、2003年のイラク特措法で自衛隊の派兵は行われている。「自殺」という形だが自衛官の犠牲者も多く出ている。アメリカ軍の場合もそうだが、現代の戦争では、直接の戦死よりも精神的に追い詰められて自殺、重度の障害が残る、ということも深刻である。(湾岸戦争後での機雷処理が海外派兵の最初だが、これは一応、法律的には単なるゴミ掃除のボランティア。他方、朝鮮戦争時に、海上保安庁が機雷処理に動員されたのは、明らかな戦争行為。)
左翼・護憲派ですら「今は戦前」などという認識の人が多い。これは、安倍が「有志連合」に参加したことを国民には大きく公表していないせいでもある。
実は、第二次世界大戦でも、多くの国民が戦時中であることを認識したのは、サイパンが陥落し、空襲が激化した1944年(昭和19年)からという話もある。「戦時中」を認識したときには手遅れだったのだ。
わたしがもし、衆院選に立候補したなら「今は戦前どころか戦時中だ」ということはかならず訴える。
いまは、戦時中である。安倍が勝手に始めた戦争の戦時中である。
朝鮮戦争について言えば、そもそもが戦争自体が1953年以降も終わってはいない。これを終わらせることが大事である。戦争が続いていることが朝鮮の核開発や拉致の背景にあるのは明白である。
「朝鮮で戦争をするな」ではなく「朝鮮戦争の終結」こそが正しいテーゼである。
まずは、戦争をこれ以上拡大しないこと。たぶん、ISも日本を敵とは見なしているが、そうはいってもキリスト教国の米英仏などよりは「攻撃対象としての優先順位」は低い状態であろう。
「キリスト教過激派vsイスラム過激派」の争いに、わざわざ、日本が巻き込まれる必要はない。
今は、日本国内の再建に全力を挙げないと行けない。
原発を外国に金をばらまいて売っている場合か?まずは、国内の福島をなんとかするのが先だろう、と言うのは小学生でも分かる。
東京五輪など、灼熱の中で、小中学生にボランティアを強制するという話になりつつある。それこそ、これも一種の泥沼戦争ではないのか?
従って、五輪についても、最終的に中止も視野に入れた検討が必要になってくるのではないか?そもそも、世界選手権なども五輪と同格の権威を持っている中、今の形での五輪は必要なのか?世界的に議論を起こしていく必要がある。
さらには、介護の問題。これも、言ってみれば、インパール作戦状態である。給料が低いから人手不足、そして、モラルの低い人も採用せざるを得ず、現場が混乱、利用者への虐待・・。
教育費の負担が重すぎる問題も民主党政権が国際人権A規約の但し書きを外し、安倍政権がようやく手を付け始めたが遅きに失した感がぬぐえない。バブルくらいの景気が良いときにまだ良かったのだが。
日本は、そもそも、戦争などしている場合でもない。
高齢化が進んでいるので、「復興」も難しいだろう。
「移民受け入れ」も日本の給料低下、日本のブラックな労働環境の中で難しくなっている。
現実的には、技術進歩をうまく活用して労働環境改善を行い、「ダメージコントロール」をしていくしかないだろう。
日本が若者ばかりだった時代は「特攻的」な手法も有効に見えたが、今は、ガラス細工を扱うようにしないといけない。
そして、繰り返すが、ぶっ壊したところで、1945年と違って高齢化が進んでいるので、「復興」は難しい。戦争で危機突破など無理と言うことは認識しなければならない。
既に起きてしまった戦争を拡大せず、終結への出口戦略。そして、国内の今ある危機の出口戦略を考えること。これが今必要だ。