安倍さんがお金をばらまいたのに賛同が減る日本の核廃絶決議案、核禁条約批准求める豪提出決議は125カ国賛成
2017年 12月 06日
国連総会(193カ国)は4日の本会議で、日本が24年連続で提案した核兵器廃絶決議案を賛成156カ国、反対4カ国、棄権24カ国で採択した。賛成は昨年から11カ国減った。決議が今夏採択の核兵器禁止条約に言及せず、核兵器使用への反対姿勢を弱めたことが主な理由とみられている。
1994年以来続く日本主導の決議。昨年の本会議での採決は賛成167、反対4、棄権16だった。今年の採決ではオーストリアやコスタリカ、ニュージーランド、南アフリカなど核禁条約の主要推進国が棄権した。反対は中国やロシア、北朝鮮、シリア。
日本は被爆国として長年核廃絶を訴えてきた。だが、北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射などの挑発行動を続け、米国の「核の傘」のもとでの抑止力に頼っている現状では、核禁条約には反対の立場だ。
決議を協議した10月の総会第1委員会(軍縮)では、核禁条約に触れていないことのほかに、核兵器の非人道性の表現を昨年より弱めたことへの不満や懸念の声が上がった。委員会採択では賛成が144カ国で、昨年から23カ国減っていた。核禁条約交渉で議長国を務めたコスタリカは「(核禁条約は)無視できない画期的な出来事のはずだ」と不満を述べていた。
決議案は第1委員会の採択を経て本会議に送られ、今回正式に成立した。総会決議に法的拘束力はないが、国際社会の意思としての重みがある。今年、賛成国が減ったことで、核軍縮分野での日本の存在感の低下を懸念する声が出ている。
河野太郎外相は5日の閣議後会見で採択を歓迎。「核禁条約に賛成した国が95カ国も賛成し、米英は共同提案国にもなってくれている。いま国連に提出されている核軍縮不拡散に関する決議案の中で、日本の提案が最も多く、様々な立場をとる国の間で支持されている」と語った。(金成隆一)
【ワシントン=池田晋】国連総会は4日の本会議で、人類史上初めて核兵器の使用や威嚇などを違法化した、7月の核兵器禁止条約の採択を歓迎する一連の決議案を賛成多数で採択しました。総会決議に禁止条約の採択が明記されるのは初めて。全加盟国に条約への早期署名・批准を求めたオーストリア主導の決議案「多国間核軍縮交渉の前進」は賛成125、反対39、棄権14の結果となりました。
122カ国の賛成多数で採択に至った7月の条約交渉会議の時点から賛成国が3カ国増え、引き続き国連加盟国のほぼ3分の2にあたる国が支持しました。
日本政府は昨年に続き、核保有国と歩調をそろえてこの決議案に反対しました。
ブラジル主導の「核兵器のない南半球および隣接地域」は、禁止条約採択を「歓迎する」とし、149カ国が賛成。メキシコ主導の「核兵器のない世界へ―核軍縮の約束実施の加速化」は、採択の歓迎に加え、法的拘束力のあるさらなる核軍縮措置を特定する取り組みに各国の支持を求め、137カ国が賛成しました。
日本主導決議 賛成11票減る
日本主導の核廃絶決議案は、禁止条約への言及がないことや、表現が例年より大幅に後退したことから、賛成156、反対4、棄権24で、昨年から賛成が11票減り、棄権が8票増えました。
米英仏などの核保有国の多くが賛成する一方、禁止条約の推進国が棄権票を投じました。