トランプのエルサレム首都認定、キリスト教原理主義者の影響大きくーーイスラエルはむしろ「有難迷惑」?
2017年 12月 10日
ドナルド・トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都に認定すると発表した。トランプ氏が大統領に就任する前から、保守的なキリスト教福音派はエルサレムの首都認定を求め、ロビー活動を展開していた。
ユダヤ系米国人の間では、エルサレムの首都認定では賛否が分かれている。これは、パレスチナ側とのいかなる和平合意にも多大な影響を及ぼす政治問題となる。エルサレムの首都認定は、聖書の指示だと多くの福音派教徒が考えており、福音派指導者はほぼ一様に首都認定を支持している。
福音派の指導者は支持者に対し、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転するよう嘆願する電子メールをホワイトハウスに送るよう呼び掛けた。トランプ氏に近い複数の福音派指導者によると、トランプ政権発足以降、大統領やホワイトハウス関係者とは頻繁にこの問題を話し合っていた。
トランプ氏の福音派助言団体のメンバー、ジョニー・ムーア氏は「これは福音派への対応だけで決定されたわけではないが、福音派の影響なしでは決まらなかっただろう」と語った。ムーア氏は多くの福音派やユダヤ系指導者の広報を手掛けるカイロス社の創業者でもある。
ムーア氏によると、エルサレムを公式にイスラエルの首都と認めることは福音派指導者のホワイトハウス訪問時に頻繁に話題になった。トランプ政権では、福音派指導者はほぼ毎日のようにホワイトハウスに足を運んでいる。
またムーア氏は、宗教指導者と政権関係者は6月にエルサレムについて1時間わたり協議したと話した。その上で「米国とイスラエルについては未完の仕事があるということで多くの一致をみた」とし、「その時期を巡り多くの議論があった」と語った。さらに、福音派指導者は政権に早急な対応を迫るという重圧をかけたくはなかったものの、「これが最優先課題の1つだと認識されるように望んでいた」と話した。