核合意の離脱、アメリカの孤立
2017年 12月 14日
核合意の離脱、アメリカの孤立
トランプ大統領
14日木曜、アメリカ議会は、イランと6カ国の核合意に関する審議の期限を迎えます。一部の情報によれば、アメリカのトランプ大統領は、この期限を過ぎた後、核合意を離脱しようとしているということです。

トランプ大統領は、核合意を守り続けることはできないという結論に至っており、パリ協定と同じように、核合意からも離脱しようとしています。

これ以前に、イランのザリーフ外務大臣は、ニューヨークタイムズで発表された記事の中で、ヨーロッパの関係国に対し、歴史から学び、アメリカの拡張主義の罠にはまらないよう警告しました。ザリーフ外相は、10年あまり前にアメリカの圧力により、イランとヨーロッパが核問題に関する合意に至ることができなかったことに触れています。
トランプ大統領の最近の反イランの発言は、アメリカの核合意離脱のための前段であるように見えます。この離脱は、トランプ大統領の、物議をかもすその他の決定の一環と見ることができます。アメリカ大使館のテルアビブからベイトルモガッダス・エルサレムへの移転をはじめとする決定は、抗議の波を引き起こしています。

イラン政府はこれまで何度も、核合意の相手側の離脱に対するイランの回答は、厳しいものになると強調してきました。平和的な核活動の再開は、イランの最も重要な手段のひとつであり、核合意の相手側を協議の席につかせ、彼らに取り決めを遵守させるためのものです。
これらにも拘わらず、トランプ大統領は、国際合意を守ることのできない大統領であることを示してきました。この中で、議会の沈黙により、核合意に背を向け、同盟国もアメリカに同調させようとする可能性もあります。
フランスは、イランのミサイル計画に関する議論を含めることで、核合意に新たな側面を与えようとしています。このような要求は、イラン政府の強い反発に直面しており、イランの政府関係者は繰り返し、防衛力の開発計画について外国と議論することはできないと強調してきました。

シオニスト政権イスラエルや一部のアラブ諸国は、地域に緊張を生み出す陰謀に失敗し、テロ組織ISISの敗北を目にしただけでなく、カタールやレバノンに情勢不安を作り出すための陰謀にも失敗しました。そのため、核合意の破棄により、再び、西側のメディアでイラン恐怖症を広めようとしています。
こうした中、トランプ大統領の支持率の低さと核合意への反対における孤立、アメリカの核合意の離脱に注目すると、イラン恐怖症が広まることはないでしょう。それだけでなく、アメリカとその同盟国は、これまで以上に孤立することになります。なぜなら、イランと6カ国の核合意は、国際世論に対し、イランが他国との建設的な協議を求めていること、口実によって地域を混乱させ、新たな戦争に巻き込もうとしているのはアメリカとその同盟国であることを示したからです。

アメリカ政府は核合意に関してどのような決定を下すのでしょうか。また、ヨーロッパはその決定に対して、ザリーフ外相の警告に注目するのか、それとも再び、アメリカに同調するのでしょうか?その答えを得るためには、もう少し状況を見守る必要があるでしょう。