上品オバマか、ちゃぶ台返しトランプか?どちらにしても「世界の警察官」からの撤退路線ではある
2017年 12月 21日
アメリカによる国連加盟国への脅迫
国連総会
ベイトルモガッダス・エルサレムに関するアメリカ大統領の決定について話し合う、国連総会の会合を前に、アメリカのヘイリー国連大使が、国連の加盟国に警告を発しました。
ヘイリー国連大使は、アメリカと国連の加盟国の今後の関係は、エルサレムの問題に関して、これらの国が投じる票に基づいて決定されると警告しました。このような行動は、国連の歴史の中でも他に例がありません。

ヘイリー大使はツイッターで、「エルサレムをイスラエルの首都に認定したトランプ大統領の決定に対し、国連総会で反対票を投じた国の名前を、トランプ大統領に報告する。それらの国との関係は、このときの票に基づいて決定される」としました。
ニューヨークの現地時間21日木曜、国連総会は、トランプ大統領の最近の決定と、この問題に関する国連安保理の票決について会合を開くことになっています。国連総会の多くの国は、安保理の理事国14カ国の意見を支持し、“エルサレムをイスラエルの首都とし、アメリカ大使館をエルサレムに移転する”としたトランプ大統領の決定に反対すると見られています。
エルサレムの首都認定に反対するエジプトの決議案について、18日月曜、国連安保理で票決が行われ、拒否権を持つフランスとイギリスのヨーロッパ2カ国を含めた理事国14カ国が賛成票を投じました。とはいえ、この決議案は、アメリカの拒否権行使によって採択されませんでした。これにより、アメリカとイスラエルの孤立が明らかになっています。
現在、国連安保理の決議案の提唱国や支持国は、この決議を国連総会で採択しようとしています。もし国連総会が賛成多数で、エルサレムをイスラエルの首都人認定することに反対すれば、アメリカのトランプ大統領の威信、この国の新たな地域政策、そしてベイトルモガッダスを永遠に支配しようとするシオニストの努力にとって、大きなダメージになるでしょう。

国連のグテーレス事務総長は、次のように語っています。
「聖地の最終的な状況は、国連安保理と国連総会の決議に基づき、合法的な要求を考慮した上で決定されるべきだ」
こうしたことから、アメリカ政府は、明らかな威嚇により、国連の加盟国を、トランプ大統領の国際法に違反した決定に無理やり同調させようとしています。一部の国は、アメリカの政治的、経済的な圧力に抵抗する力を持っていません。そのため、アメリカはますます、国連に対して脅迫を行うような行動に走っています。
とはいえ、国連が創設されてから70年の間、アメリカなどの国々は常に、国連に加盟する弱小国に対して、脅迫や威嚇の政策を用いてきました。しかし、アメリカの国連大使が、今回のように堂々と、最大の国際機関の加盟国を脅迫したことは、過去に例がありません。このことは、アメリカの他国に対する影響力が、トランプ政権時代には弱まっていること、そのためにアメリカは、脅迫や威嚇を行っていることを示しているのです。