イラン、抗議デモ相次ぐ中「反対派の意見を聞く耳を持ち、批判を奨励し、活用すべき」とイラン最高指導者
2017年 12月 31日
国民の抗議が、経済問題の全容を反映
抗議集会
この数日、イランの一部の都市で、一部の商品の値上げや生活状況、金融機関の状況に対する抗議集会が実施されています。
国民には、改善すべき点や問題を指摘する権利があり、これは社会の躍動性を示すものであることに疑いの余地はなく、不満な点を表明できる自由なメディア空間や法的な集会の実施も、社会の基本的な権利の1つとされています。しかし、ここでは次の2つの問題を別途に考慮する必要があります。
第1の論点は、それが経済面での問題に対する社会の各階層の抗議や生活苦、そして行政責任者や政府に対する要求であるということです。
しかし、2つ目の問題は、これらの状況に対する外国の対応であり、このことは明らかにこの2日間で、アメリカ政府や同国下院議会からの声明の発表という形で、その本質を露呈しました。
実際に、アメリカ大統領府の声明は、どのような意味を持ちうるのでしょうか。対イラン制裁の根本的な支持派であるアメリカ共和党のトム・カートン上院議員は、集会について触れ、アメリカの政府関係者にイランでの騒乱を支援するよう求めました。

こうした立場表明や、外国のメディアによる吹込みは急速に広まり、こうした集会での要求内容が政治的な本質を有しており、体制の本質をターゲットとしたものだということを示そうとしています。

もっとも、経済問題がイランに限られたものではないということも熟知しておく必要があります。たとえば現在、欧米の有力国家の多くがこうした経済問題を抱えており、自国の経済に明るい見通しをもてない状態にあります。
実際に、イラン経済も一部の問題に苦しんでいます。イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は昨年、同国のローハーニー大統領や政府閣僚らとの会談で、「現在、国家にとっての’第1の問題は、経済問題であり、これは必ず解決されなければならないが、その解決は抵抗経済政策の正確な実施にかかっている」と語りました。

また、今年8月26日の政府週間に際しても、国の最重要課題は国民の生活の問題だとし、政府への重要な勧告として、「反対派の意見を聞く耳を持ち、まさに内面に秘められた能力である自らの意識を高めて批判を奨励し、活用すべきだ」と述べています。