「身体拘束ゼロ」も一筋縄ではいかない
2018年 02月 28日
「身体拘束ゼロ」も一筋縄ではいかない
「身体拘束」はないほうがいいに決まっている。
しかし、現実には、一筋縄ではいかない。
以下のような場合もありうる。
老人ホームにおいて、認知症だがそこそこ元気な人が「大暴れ」しているようなケースだ。
他の入居者の部屋に乱入しまくり。しかし、職員側も、人手不足で見守りが難しい状況である。
部屋に鍵をかけてもらっても、ドアをがたがたと鳴らすから、特に女性の入居者様は気持ち悪がられるだろう。
その人を「追放しろ」という声が、他の入居者様から上がることもありえる。
その大暴れの本人は本人で、車いすから立ち上がって、転倒しまくる。
ご家族同意で車いすに拘束ベルトをするところまでは可能である。
しかし、車いす移動までは制限できないだろう。
一昔前は、施設でも、人員に余裕があり、認知症の人の見守りを、特に新人職員にさせていたケースも多い。
だが、そういう配置が今はできないで、新人職員にいきなり、一人で思い仕事をさせるケースも目に付く。
そこに根本原因を感じる。ハッキリ言ってしまうと、むき出しの資本主義の論理(人件費削減)と、
人権は両立しないということが
介護現場でもいえる。
このままでは、そうした入居者様本人も、周りの入居者様も大変である。
もちろん、こうした入居者様については、小規模なグループホームへの転居が考えられる。
そもそも、こうした「そこそこ元気な認知症」の方については、小規模なほうが良いのである。
介護サービス利用の段階で、利用者様ご本人の状態に基づいたサービス選びが必要である。
by hiroseto2004
| 2018-02-28 07:49
| 役人からヘルパーへ
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