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by hiroseto2004

【速報】鹿児島・大崎事件:3度目の再審開始決定 福岡高裁支部

38年半経ってようやく、再審。原口さんの濡れ衣が晴らされる扉が開きました。


鹿児島・大崎事件  

事件の概要  

 1979(昭和54)年、鹿児島県曽於郡大崎町で、農業・Kさん(当時42歳)が自宅の牛小屋の堆肥の中から死体で発見されました。Kさんは、3日前に酔って用水路に自転車とともに落ち、道路上に倒れているのを近所の人に助けられ家に運ばれましたが、その後は行方が不明でした。
 警察は、近親者の犯行として、Kさんの兄・その妻の原口アヤ子さんら4名を逮捕。原口さんは無実を訴えましたが、裁判で有罪とされ、10年間服役した後、再審(裁判のやり直し)を請求しました。他の3名は知的障害があったにもかかわらず、その点についてまったく配慮されずに、警察の強引な取り調べを受け、ウソの「自白」を強いられ、服役後に亡くなりました。
 2002年、鹿児島地裁は原口さんの再審請求を認める決定を出しました。地裁決定は、①絞殺と判断した当時の鑑定が誤りだと城教授(当時の鑑定者)が認めて、殺人ではなく事故死の可能性が明らかになり、②「共犯者」とされた2名が警察の執拗な取り調べでウソの「自白」を強要され、その2名も無実を訴えていたこと、③ウソの「自白」の内容が客観的な事実や証拠と矛盾し、信用できないことを認めたものでした。
 しかし、福岡高裁宮崎支部は事実調べもせずに、不当にも原口さんの再審請求を棄却し、最高裁は高裁の不当決定を支持したのです。

■第2次再審請求
 原口さんは「私は犯人ではありません。悔しくて、このままでは死ねません」と訴えており、2010年、鹿児島地裁に第2次再審請求の申し立てを行いました。また、これまで、原口さんのみが再審請求人となっていましたが、2011年に、原口さんの元夫(故人)の遺族も再審請求の申し立てを行いました。

■裁判所が事実調べを行わないという重大な事態
 大崎事件第2次再審で、2013年3月6日、鹿児島地裁は一切の事実調べを行わず原口アヤ子さんの再審請求を棄却する不当決定を言い渡しました。弁護団が提出した新証拠の事実調べを行わないだけでなく、弁護団が再三にわたって請求した捜査機関の手持ち証拠の開示請求も無視するきわめて不当な訴訟指揮でした。
 福岡高裁宮崎支部では、裁判所が証拠のリストの開示を検察に勧告し、114点の証拠が開示されました。2013年10月には、法医学者の上野正彦元東京都監察医務長が、「共犯者」とされた人の「自白」であるタオルでの絞殺ではない」と証言し、「自白」が信用できないものであることが明らかになりました。
 しかし福岡高裁宮崎支部、最高裁第1小法廷も再審請求を棄却しました。
 2015年7月8日、第3次再審請求を申し立ました。
 2017年6月28日、鹿児島地裁は、再審開始を決定。
 2018年3月12日、福岡高裁宮崎支部は検察の即時抗告を棄却しました。

守る会の連絡先/署名等  

  • 連絡先 
     大崎事件原口アヤ子さんの再審をめざす会 
     鹿児島県曽於郡大崎町仮宿1123 稲留様方







鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42歳)の遺体が見つかった「大崎事件」で、福岡高裁宮崎支部(根本渉裁判長)は12日、殺人罪などに問われて懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(90)の再審開始を認めた鹿児島地裁決定(2017年6月)を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。原口さんの再審開始を認める判断は02年3月の地裁決定を含めて今回で3度目。弁護団によると、同一事件で3度の再審開始判断が出るのは初めて。

 同地裁は原口さんの元夫(93年に66歳で死去)の再審開始も同時に認めていたが、同支部はこの決定も支持して検察側の即時抗告を棄却した。福岡高検が期限の19日までに特別抗告すれば審理は最高裁に移るが、断念すれば同地裁で再審が始まる。弁護団は12日、原口さんが高齢であることも踏まえ、特別抗告しないよう検察側に申し入れた。

 根本裁判長は、地裁決定が原口さんの関与を認めた親族の供述の信用性を否定した心理鑑定を再審開始の根拠としたことに「論理に飛躍があり、不合理な判断だ」と指摘。一方で「首を圧迫したことによる窒息死と積極的に認定できる所見がない」とした法医学者の鑑定の信用性を認めた上で、転落事故などによって死亡した可能性を認めた。

 事件では原口さんの関与を示す物証はなく、原口さんは捜査段階から一貫して無実を訴えた。しかし、知的障害のあった元夫ら親族3人(いずれも故人)の自白や、原口さんが親族に殺害を持ちかける場面を目撃したという義妹の供述を根拠に有罪と認定された。

 弁護側は、第2次再審請求審で元夫らの自白を分析した心理鑑定書を提出して「体験に基づかない特徴があり、信用性がない」と主張。14年7月の福岡高裁宮崎支部決定は心理鑑定を踏まえて「元夫らの自白の信用性は高くない」とする一方、義妹の供述が信用性を支えているとして再審請求を棄却した。弁護側はこれを受け、第3次再審請求審で義妹の供述についても心理鑑定書を提出していた。

 17年6月の地裁決定は、再審請求審では初めて心理鑑定の証拠価値を認め、義妹の供述について「捜査機関の思惑に沿って虚偽の供述をした疑いがある」と指摘。元夫らの自白も「捜査機関の誘導で供述が変遷した疑いがある」と信用性を否定し再審開始を認めた。【平川昌範、田中韻】

 【ことば】大崎事件

 1979年10月、鹿児島県大崎町で男性(当時42歳)の遺体が自宅の牛小屋で見つかり、義姉の原口さんと親族3人(いずれも故人)が殺人と死体遺棄の容疑で逮捕・起訴された。原口さん以外は起訴内容を認め、懲役1~8年の判決が確定。原口さんは無実を訴えたが、81年に懲役10年が確定して服役した。95年に第1次再審請求し、2002年に鹿児島地裁が再審開始を決定したが、福岡高裁宮崎支部が取り消した。第2次請求も退けられたが、第3次請求では鹿児島地裁が17年6月、再審開始決定を出した。


by hiroseto2004 | 2018-03-12 20:34 | 司法 | Trackback