9月30日投開票の沖縄知事選に、自由党幹事長で衆院議員の玉城デニー氏(58)が出馬する方向で最終調整に入ったことが19日、分かった。4年前に翁長雄志知事誕生の原動力となったオール沖縄体制が構築されれば、出馬に踏み切る構えだ。知事選には前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)が自民党などの保守系候補として立候補を表明しており、県内最大の政治決戦は両氏一騎打ちの構図となる公算が大きくなった。

要請を重く受け止めたいと語る玉城デニー衆院議員=19日、沖縄市

 候補者選考作業を進めている県政与党や労働団体などでつくる「調整会議」(議長・照屋大河県議)は19日、緊急会合を開催。生前の翁長知事が残した音声で後継者として挙げた玉城氏と金秀グループ会長の呉屋守將氏(69)のいずれかを擁立することを全会一致で決め、出馬を要請した。

 19日夜、要請を受けた玉城氏は記者団に「全会一致は非常に重い決議と受け止める」と述べた。翁長知事が玉城氏の名前を挙げたことには「これ以上ない光栄だ」と語った。

 玉城氏は20日に後援会や支援者らと協議し、早ければ旧盆に入る23日までに結論を出す可能性に言及。近く上京し、自由党の小沢一郎共同代表にも報告する考えを明らかにした。

 一方、19日夜に出馬要請を受けた呉屋氏は本紙取材に「玉城氏を推したい。私は経済人として裏方に回りたい」と固辞したことを明かした。呉屋氏は玉城氏本人へ直接支援する考えも伝えた。

 知事選に保守系候補として出馬の意向を示していたシンバホールディングス会長の安里繁信会長(48)が19日、正式に出馬を断念したことから、佐喜真氏と玉城氏の全面対決の構図となる見通しだ。

 17日に開いた調整会議の選考委員会では、謝花喜一郎副知事(61)ら複数人の候補者名が挙がったが、翁長知事の生前の音声が見つかったことで作業を止め白紙にしていた。