さすがにトランプもカショギ暗殺事件は放置できず、トルコ政府もサウジアラビアへの姿勢を硬化
2018年 10月 14日
たとえ、武器輸出のお得意先でもこれ以上サウジアラビアを甘やかすのは不味いとの判断でしょう。(今回の事件をねたにサウジアラビアを言い方は悪いが揺すってやろうとの意図もあるでしょうが。)
【10月14日 AFP】トルコは13日、同国イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で消息を絶ったジャーナリストの捜査について、サウジ政府が非協力的だと非難した。またドナルド・トランプ(
)米大統領は、ジャーナリストが同総領事館内で殺害されたと判明した場合、サウジ政府に「厳しい処罰」を加えると警告した。トルコのメブリュト・チャブシオール(
)外相による発言から、今月2日にサウジ総領事館に入ったまま行方不明となっているサウジ人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ( )氏の事件に関し、トルコ政府がこれまでの慎重姿勢から態度を硬化させている様子が浮き彫りになっている。またトランプ大統領は13日に放映された米
の番組「60ミニッツ( )」のインタビューで、「われわれはこの件(カショギ氏の事件)の真相を究明する」とし、同氏が総領事館内で殺害された場合、サウジアラビアに「厳しい処罰」を加える考えを示した。トランプ氏はそれでも、米国がサウジへの武器売却を制限することについて消極姿勢を崩していない。専門家はこれが事件解明への重要な手段の一つになるとみている。
トルコの当局関係者はこれまで、カショギ氏が総領事館内で殺害されたとの考えを示し、報道では同氏が拷問された後に殺害されたとも伝えられている。
カショギ氏は米紙ワシントン・ポスト(
)にサウジのムハンマド・ビン・サルマン( )皇太子について批判的な記事を執筆していた。サウジはカショギ氏が同総領事館を何事もなく去ったと主張しているが、これについて目に見える証拠を示していない。カショギ氏の失踪に対する非難で、トルコとサウジの不安定な外交関係が危うくなるだけでなく、サウジを支持する西側諸国を警戒させ、サルマン皇太子が進める改革に暗雲が立ち込める恐れもある。(c)AFP/Stuart WILLIAMS
【10月11日 AFP】サウジアラビア政府への批判で知られる同国のジャーナリスト、ジャマル・カショギ(
)氏がトルコで消息を絶った問題で、米紙ワシントン・ポスト( )は10日、サウジのムハンマド・ビン・サルマン( )皇太子がカショギ氏を標的とした作戦を指示したと報じた。一方、ドナルド・トランプ( )米大統領はこの問題をめぐりサウジ側に説明を求めた。米国に居住するカショギ氏は、トルコ人女性との結婚を翌日に控えた今月2日、必要書類を受け取るためトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪れて以降、行方が分からなくなっている。トルコ当局は殺害されたのではないかと疑っている。
ワシントン・ポストは情報筋の話として、米情報機関がカショギ氏の拘束計画について話し合うサウジ当局者の通信を傍受したと報道。サウジ側はカショギ氏を本国に「おびき寄せて」拘束する計画だったという。
またカショギ氏の複数の友人の話として、カショギ氏はサウジの高官らから保護や政府の高位職の申し出を受けていたが、本人はそれを不審に思っていたとも伝えている。
カショギ氏は同紙でコラムを執筆しており、サウジのサルマン(
)国王と、息子で権力集中を進めるムハンマド皇太子の体制を厳しく批判してきた。■トランプ氏「放置しない」
トランプ政権は当初、カショギ氏不明事件について控えめな反応しか示さなかったが、打って変わって激しい圧力を掛けている。
トランプ氏は10日の記者会見で、自ら「一度ならず」「最高レベルで」サウジ側と話をしたと説明。一部始終の説明を要求しているとし、「記者に対してであれ誰に対してであれ、こうしたことが起こるのを放置しておくわけにはいかない」と強調した。
サウジは米国の緊密な同盟国で、米兵器産業の得意客でもある。だが米上院議員22人も書面でトランプ大統領に対し、国際的に認められた人権活動家らの司法管轄外の殺害や拷問などが疑われる場合に適用されるグローバル・マグニツキー法(
)に基づいて、サウジに制裁を科すべきかの調査を始めるよう求めた。ワシントン・ポスト紙の発行人フレッド・ライアン(
)氏は、「ジャマル(・カショギ)氏の運命に関する報道は、彼が国家ぐるみの血も涙もない殺人の犠牲となったことをほのめかしている」と指摘。「沈黙、拒否、遅滞は受け入れられない。われわれは真相の解明を求めている」と述べている。(c)AFP/Sebastian Smith