イラン外相、「ヨーロッパが初めてアメリカの制裁に対抗」
2018年 10月 30日
アメリカがいくら制裁だ!と拳を振り上げても、(サウジアラビアとイスラエル以外)誰もついてこない。これが今のアメリカです。ずいぶんと影響力は落ちました。制裁、制裁とやり過ぎると、アメリカ以外の国がアメリカ抜きのシステムをつくってしまいかねず、アメリカにとっても良くないでしょう。ただし、アメリカも長期的に見れば、覇権国の責任という重荷を投げ捨てようとしている、とも取れます。
イラン外相、「ヨーロッパが初めてアメリカの制裁に対抗」
イランのザリーフ外相が、「ヨーロッパが、アメリカの政策に反対する見解を表明するのみならず、アメリカの制裁による悪影響の補填を追求するのはこれが初めてだ」と語りました。
ザリーフ外相は、29日月曜、テヘランを訪問中のCBSニュースの記者とのインタビューにおいて、イランが核合意での利益を得られるよう計らうとするヨーロッパの提案について、「ヨーロッパは、アメリカの制裁を阻止し、その影響を緩和しうるような、更なる大規模な発展を追求している」と述べました。
また、アメリカの核合意離脱と対イラン制裁の再発動についても、「アメリカは、もはや制裁行使の習癖が身についており、制裁行使により自らの問題のすべてを解決できると思い込んでいる。しかし、実際はそうではない」としました。
さらに、「我々は、安易に離脱するために、核合意成立に向けて2年半もの時間をかけて世界の超大国との協議に臨んだわけではない。それは、それ以外によりよい合意が存在しないであろうことを熟知していたからだ」と語りました。
ザリーフ外相はまた、アメリカのトランプ大統領の駆け引き術を暗に揶揄し、「我々は、アメリカ大統領に対し、この核合意がイランやヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、そして国際社会全体にとって最善の合意であることを思い知らせることができる」と述べました。
さらに、来月5日から実施が予定されている対イラン制裁についても、「アメリカは、このような制裁よりももっと重大な問題を抱えている。それは、制裁行使後にイランがかねてからの計画に基づいて彼らにしかるべき回答を与える事になっているからだ」としました。
トランプ大統領は、今年の5月8日に核合意から離脱し、核関連の対イラン制裁の復活を宣言しました。この制裁の第1弾は8月7日、第2弾は11月5日からの実施となっています。
しかし、アメリカのこの行動は核合意に署名したそのほかの関係国をはじめとする国際社会から大きな非難を浴びています。
核合意に署名したイギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、EUは、今後も核合意を遵守し、これを支持すると表明しています。