イラン・イスラム革命、思想家にもショック(40周年)
2019年 02月 06日
思想家の考えるイスラム革命(5)
スタンスフィールド・ターナー
このコーナーでは、西側の政治家、著作家、ジャーナリストによるイランのイスラム革命についての見解をご紹介しています。
今回は、イスラム革命の勝利当時、アメリカCIAの長官だったスタンスフィールド・ターナーと、アメリカの社会学者、ジョン・フォランのイスラム革命に関する見解です。

アメリカのカーター政権時代にCIA長官を務めたスタンスフィールド・ターナーは、イランのパフラヴィー王制の崩壊とイスラム革命の勝利を、「定義のないもの」と呼んでいます。アメリカのブッシュ父元大統領はこう語っています。
「私はイランの革命勝利によって解任された当時のCIAの長官に、“つまりあなた方は、世界に多くの人材を持ち、最先端の設備を備え、莫大な予算を投じながら、イラン国民の革命を予想することができなかったのか”と尋ねた。すると彼は私にこう言った。“イランで起こったことは定義のないものであり、我々のコンピュータにはそれを理解することはできない”」
ターナーは、NBCテレビのインタビューで次のように認めています。
「我々が予想できなかったことは、14年間、国を追われていた78歳の聖職者がたった一人でこれほどの人々を動員し、突然、大きな爆発によって国民の革命が起こるということだった」

欧米の政治家、政治学者、社会学者の見解を見ると、「イランイスラム革命」が、西側の人文学に存在する理論では分析でキないような、独自の特徴を持っていることが明らかになっています。カリフォルニア大学の社会学教授、ジョン・フォランは、イランのイスラム革命に関していくつかの著書を記しています。彼は、「1977年から79年の革命、社会的なセオリーへの挑戦」という論文の中で、次のように記しています。
「1980年代の社会的な理論の問題は、イランの革命を、他の革命とは異なる独自のものとして分析すべきなのか、それとも、革命の理由をイランで目にしたことによって、再び見直すべきなのかという疑問から生まれた」
ジョン・フォランは、イランのイスラム革命の勃発により、革命の理論に挑戦が起こったとし、イランにおけるこのような変化によって、こうした理論にも革命が起こったと述べています。ジョン・フォランは、イランのイスラム革命の勝利において、第4世代の革命理論が生まれているとし、文化、イデオロギー、宗教、指導者といった要素が、そうした理論の中心になるとしています。