県内初 空き家の略式代執行、廿日市市内
2019年 04月 16日
これから増えるであろうこういう事態。
廿日市市は倒壊するおそれがある空き家について、「略式代執行」という手続きで強制的に取り壊す作業を始めました。
この手続きで空き家が撤去されるのは広島県内では初めてだということです。
作業が始まったのは、廿日市市佐方本町にあるおよそ60平方メートルの木造平屋建ての空き家です。
16日は市の担当者が代執行の開始を宣言したあと、解体業者がチェーンソーを使って家の壁を切断したり、バールでたたき壊したりして手作業で解体を始めました。
4年前に施行された「空き家対策特別措置法」では、市町村が倒壊などの危険がある空き家について所有者が死亡するなどした場合には、その代わりに取り壊す「略式代執行」で強制的に撤去できるようになりました。
この住宅は10年ほど前から空き家となっていて、所有者が死亡し、相続人が相続を放棄したため所有者がいない状態となっていました。
老朽化のため道路側に倒壊するおそれもあることから廿日市市が撤去に踏み切りましたが、およそ250万円の費用は市が負担します。
市によりますと、略式代執行で空き家が撤去されるのは県内で初めてだということです。
空き家の撤去作業が始まったことについて近所に住む62歳の男性は「空き家は私が子供の頃にはすでにあったので、築50年以上はたっていると思う。ハチが巣を作ったり、横を通る時に倒れてこないか怖かったりしたので、作業が始まってやっと安心できます」と話していました。
廿日市市住宅政策課の中野祥司課長は「近隣への危険性が高いため、最後の手段として略式代執行に踏み切った。今後も空き家に対して適切に対応していきたい」と話しています。
空き家は人口減少や少子高齢化を背景に全国的に増えていて、防災や防犯の面で大きな課題となっています。
総務省によりますと、平成25年の調査で広島県内にはおよそ22万1300戸の空き家があると推計されています。
県内の住宅の数に占める空き家の割合=空き家率は15.9%に上り、年々増加していて、ほぼ6戸に1戸が空き家となっています。
「空き家対策特別措置法」では、倒壊のおそれがあることや屋根や外壁が落ちていること、それに衛生上有害なおそれがある空き家を「特定空き家」に指定し、自治体が所有者に代わって撤去できるようになりました。
しかし、強制的に撤去しても、所有者がいなかったり特定が難しかったりする場合はその費用を自治体が支出することになるため、費用を誰が負担するかが大きな課題となっています。
by hiroseto2004
| 2019-04-16 19:27
| 廿日市市政
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