日本、「タンカー攻撃はイラン関与」に同調せず、米側に証拠提示を要請
2019年 06月 16日
日本政府がオマーン海で起きたタンカー攻撃を巡り、イランが関与したとする米国の説明に同調せず、裏付けとなる証拠を示すよう米側に求めていることが明らかになりました。
13日木曜朝、オマーン海を航行中のタンカー2隻が相次いで出火しました。事件直後、イランの港湾航行機関の救助部隊は2隻の船の乗組員の救助に向かい、イラン南部のジャースク港に移送しました。
ポンペオ米国務長官は、事件が伝えられると「オマーン海でのタンカー攻撃はイランの責任だ」と即座に断定しました。
イランは地域諸国に対し、地域の情勢不安から恩恵を受ける者たちの罠に注目するよう、警告しています。
関係者によると、日本政府はポンペオ国務長官が「イランに責任がある」と断じた米国時間の13日以降、複数の外交ルートを通じて「裏付けとなる根拠を示してもらわないと、日本として対応できない」と伝達。日本や国際社会が納得できる証拠を提示するよう強く求めました。
これに対し、菅義偉(すがよしひで)官房長官は14日の記者会見で「予断を持って発言することは控えたい」と述べ、米国の主張と一線を画す考えを示唆していました。
オマーン海で起きたタンカーへの攻撃をめぐり、アメリカは、イランに対する国際的な包囲網を狭めていきたい考えですが、各国の対応には温度差があります。
トランプ米大統領は14日、タンカーへの攻撃は「イランがやった」と断言し、シャナハン国防長官代行は関連する機密情報を積極的に公開し、イランに対する国際的な包囲網を狭めていきたい考えを示しました。
これまで、イギリスのハント外相が「ほぼ確実に責任はイランにある」と結論づけ、アメリカへの追随を示しているものの、ドイツやフランスは緊張の緩和を呼びかけるなど、慎重な対応を見せています。
また、日本も、よほど確実な証拠が明らかにならない限り、アメリカの主張に同調できない立場を示しています。