備忘録 「自由な世界秩序」への「挑戦」は、西側主流の「身から出た錆」
2019年 07月 22日
備忘録 「自由な世界秩序」への「挑戦」は、西側主流の「身から出た錆」【現代史】
「「自由な世界秩序」が挑戦を受けている」という論調が西側の主流やその尻馬に乗った日本のブルジョワインテリにある。
確かに、トルコ大統領のエルドアン被疑者や、ポーランドのカチンスキはヤバイ。アメリカ自体、トランプ自身がアメリカであることを捨て普通の国にしようとしている。ロシアのプーチンも国内的には権威主義。インドや中国は経済発展の一方で、権威主義が強化されている。
権威主義よりは自由があった方がいいに決まっている。
しかし、米英仏独など「自由」とか「人権」とか言っている側も反省した方がいいだろう。
彼らは特に冷戦崩壊後のいわゆるポストモダンの時代には内政では「庶民のメシ」をないがしろにして格差を拡大したのだ。
その歪みが、「労働者の味方」を自称するトランプや、ルペンら西欧の極右、排外主義と再分配強化を組み合わせたポーランドのカチンスキという形で噴出した。
他方、米英仏主流は、対外的にはモダンの時代は、中東などを植民地支配し、いわゆるポストモダンの時代にも「テロ対策」などと称して空爆しまくった。アフガン戦争、イラク戦争、シリア空爆などだ。
口を開けば「人権、人権」とうるさい米英仏は、他方で中東の庶民の命(=最大の人権)は虫けらのように扱ってきた。
イラン人、イラク人、シリア人らが米英仏に抜きがたい嫌悪を抱くのは仕方あるまい。
彼らを米英仏や、尻馬に乗った日本が力で押さえ込もうとしても反発されるだけだ。
内政にあまりうるさいことを言わないイメージのあるロシアや、中国に彼らを追いやるだけだろう。
結局、米英仏の主流=「自由な世界秩序」を推進してきた側の「身から出た錆」として「挑戦」がある。
一度、米英仏などの主流や、その尻馬に乗る日本のブルジョワインテリは被害妄想を捨て、自分たちがやって来たことを反省した方が良い。
さらに噴飯なのは我らが安倍ジャパンだ。
外交では、「自由な世界秩序」=新自由主義グローバリズム側に媚びつつ国内的には独裁化しつつある。
英米仏の悪いところと中国、ロシアの悪いところをハイブリッドした方向に突き進んでいる。