国連特使、イエメン・サヌアを訪問、イエメン側と和平推進で一致・サウジ軍がイエメン軍に大敗か?
2019年 10月 02日
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国連特使、イエメン・サヌアを訪問
国連のマーチン・グリフィス・イエメン担当特使が1日火曜、イエメンの首都サヌア入りしました。
グリフィス国連特使の今回のイエメン訪問の一方、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーが最近、サウジアラビアへのミサイル・無人機による攻撃の停止に関する停戦案を歓迎し、それを重要な行動としています。
イエメンの政治高等評議会のアル・マシャート議長は最近、停戦を宣言することで、サウジアラビアに対し停戦を呼びかけると共に、「サウジアラビアは停戦の機会を活用するべきだ、と強調しました。
アンサーロッラーは30日月曜にも、一方的な行動の中で、捕虜交換に関する条約に基づき、290人の捕虜を解放しました。
イエメン政治高等評議会議長、「イエメン救国政府は平和を支持」
イエメン政治高等評議会のアルマシャート議長が、首都サヌアで国連のグリフィス・イエメン問題担当特使と会談し、「イエメン救国政府は、同国での包括的な平和を歓迎する」と語りました。
イルナー通信によりますと、アルマシャート議長は1日火曜、この会談で「イエメン救国政府はこれまで、停戦案を含めた政治的な解決策を見出すため、多くの行動を起こしてきた」とし、「侵略者はこれまで、和平の意向を示すような行動を全くとっていない」と述べました。
一方のグリフィス特使もイエメン政府の示した和平案を高く評価し、平和に向けた重要な措置だとしました。
アルマシャート議長は先月20日、条件付の停戦を発表してサウジアラビア主導アラブ連合軍に対し、停戦を呼びかけるとともに、サウジは停戦のチャンスを活用すべきだと強調していました。
しかし、アラブ連合軍はイエメン側の提案に注目することなく、同国各地に対する攻撃を続行しています。
サウジアラビアは米国やアラブ首長国連邦などの支援を得て、2015年3月からイエメンを軍事攻撃し、全面的に封鎖しています。
この戦争で、イエメンではこれまでに1万6000人以上が死亡、数万人が負傷、数百万人が住む家を失っています。
サウジ南部で、軍兵士の遺体が地面に放置されたまま
イエメン捕虜委員会のアル・モルタザ委員長が、「サウジアラビア南部ナジランでは、イエメン軍による作戦で死亡したサウジ軍兵士数百人の遺体が今も地面に放置されたままになっている」と遺憾の意を表明しました。
アルアーラム・チャンネルが2日水曜、報じたところによりますと、アル・モルタザ委員長は、「サウジ主導アラブ連合軍は、国際赤十字社が兵士たちの遺体を戦闘地域から運び出す許可を与えていない」と語りました。
また、イエメン軍のアル・サリーア報道官は1日火曜、記者会見で、イエメン南部で同国軍が展開した対アラブ連合軍2次作戦の詳細を説明し、「この作戦でサウジ侵略軍兵士の数百人が死傷した」と述べました。
また、「イエメン軍の無人機部隊は敵の拠点を37回に渡り攻撃し、サウジ軍は3年間に及ぶ衝突の中で占領した土地をわずか10日間で失った」とイエメン側の成果を強調しました。
イエメン武装軍がサウジ南部で行った作戦の詳細を発表
イエメン武装軍のヤフヤー・アルサリーア報道官が、サウジアラビア南部で展開した第2次作戦の詳細を説明し、「敵方から数か月分に相当する武器などの戦利品を押収した」と述べました。
アルアーラム・チャンネルによりますと、同報道官は1日火曜、記者会見でイエメン南部で行われた作戦の成果について、「今回の作戦の中で少なくとも200人のサウジ侵略軍の兵士が死傷した」としました。
また、「これまで2段階の作戦において、無人機部隊が敵方の基地や軍備、拠点を標的とした37の作戦を実行した」と述べ、「イエメン軍は、兵器庫や武器、軍需物資を含むサウジ軍の駐屯地3カ所を占領することに成功した」と説明しました。
そして、「サウジ軍は過去3年間の紛争で獲得してきた全ての地域を、わずか10日間で失った」と成果を強調しました。
サウジアラビアは、米国やアラブ首長国連邦などの支援を背景に2015年3月からイエメンを軍事攻撃し、全面的に封鎖しています。
この戦争で、イエメンではこれまでに1万6000人以上が死亡、数万人が負傷、ほか数百万人が住む家を失っています。
サウジアラビアとその同盟国は、イエメン市民の頑強な抵抗により、これまでサウジアラビア寄りのハーディ元イエメン大統領の政権復帰という目的を達成できないままとなっています。