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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

「自己責任万歳」(小泉系)と「旧来型公共事業礼賛」(安倍系)の不毛な二者択一を乗り越えよう

「自己責任万歳」(小泉系)と「旧来型公共事業礼賛」(安倍系)の不毛な二者択一を乗り越えよう

台風19号を巡って、現政権を支持する人たちの議論はおおざっぱにいって、二つの系統にわかれる。

ひとつは、いわゆるブルジョワマスコミ、とくに日経新聞にみられるような「自己責任」論だ。自己責任論といえば、真っ先におもいだされるのは小泉環境大臣のお父上の小泉純一郎さんだろう。
今回の場合は、「水害の危険があるような場所に住んでいる人が悪い」論である。
こうした論者はふだんは、自己責任論=アンチ左翼ということで、結局は安倍政権を支えている。

しかし、そもそも、そのような場所を開発許可したのは行政だ。建築確認を下ろしたのは行政だ。この時点で自己責任論は成り立たない。もっといってしまえば、行政自身がデベロッパーとなっているケースすらある。民間が主体でもそういう開発を織り込んだ都市計画を決定したのは行政だ。

防災にかんしていえば自己責任論とか民営化論は論外だ。

もうひとつは、「旧来型公共事業礼賛」論だろう。ダムさえつくれば、堤防さえつくれば、オーケー、という論調だ。インターネット上の安倍総理支持者は、主にこちらのタイプが多い。

「自己責任論」者よりはいくらかましである。しかし、「同じように減災をめざすなら、本当にそのやりかたが効果的なのか?」という観点が不足しているようにみうけられる。
もっと、代替案は検討されるべきだ。
堤防やダムの整備がいいのか?
河川浚渫などで済むのか?
それとも、危険な場所から行政の責任において住宅や学校などは移転し、跡地は普段は田畑や果樹園などに用途を変更するほうがいいか。
あるいは、各建物を高床式倉庫みたいなイメージで浸水があっても大丈夫なものにしていくのがいいのか?
ケースバイケースで議論すべきだろう。

さらに、そもそも、「民主党とちがって国土を強靱化してくれるはず」の安倍政権でも、「小泉路線」を継承して砂防予算や河川予算は減らしてきたし、安倍総理の危機管理も誉められたものではないということも、考えないといけないだろう。

ただ、安倍総理の強みというのは、一見正反対にみえる「小泉純一郎的新自由主義者」と、「旧来型公共事業礼賛」ケインジアンから支持を巧妙に両取りしている、ということはあるだろう。









by hiroseto2004 | 2019-10-16 21:05 | 思想・哲学 | Trackback