イスラエル国会、また解散 ネタニヤフ被告人は党首選で退陣も
2019年 12月 13日
視点;イスラエル議会の解散と今後のイスラエル政権の見通し
シオニスト政権イスラエルの議会
シオニスト政権イスラエルの議員らが現地時間の11日水曜、最近7ヶ月間で2回目となる解散決定に票を投じました。これで、イスラエルではこの1年間に3回の議会総選挙が実施されることになります。
IRIB通信によりますと、イスラエルの2大政党リクード党、および中道連合「青と白(カホール・ラバン)」が連立政権を樹立する最後の猶予期限が11日水曜夜、切れたため、各政党の幹部らは来年3月、再度議会選挙を実施することで合意しました。
リクード党の党首を務める現職のネタニヤフ首相と、「青と白」のベニー・ガンツ党首は今年9月の選挙後、彼らに与えられた1ヶ月間という猶予期間中、包括的内閣発足させられませんしたた。このため、イスラエルのリブリン大統領は11月21日、120人の議員に21日以内に新首相を指名するよう義務付けましたが、議会も同政権の危機打開に失敗しました。
現在イスラエルが抱えている政治的行き詰まりは、これまで71年間にわたる同政権史上初めてのことです。
イスラエルの議会選挙実施前に注目すべき重要な2つの問題が存在し、その2つも同政権のネタニヤフ首相に関係があります。
第1の問題は、イスラエルのネタニヤフ首相が自らの司法上の運命を懸念していることです。ネタニヤフ首相は既に、イスラエル検察庁から収賄罪などの汚職により起訴されています。
ネタニヤフ首相は、こうした汚職罪により任期満了後に刑務所に収監される可能性があります。このため、中道野党連合「青と白」の指導者のガンツ氏の話によれば、ネタニヤフ首相は単に、裁判を免れるために努力している、ということです。
第2の問題も、ネタニヤフ首相が率いる右派与党リクード党に関するものです。ヘブライ語のメディア・カーンは、「リクード党内の選挙は今月26日に実施される」と報じました。この党内選挙は、リクード党員らが同党をネタニヤフ首相の野望の犠牲にしないよう、またこの党が未来のイスラエル内閣を組閣しようと努力している点で、重視されています。
ネタニヤフ首相がリクード党の党首の座を得られない場合、最近10年間イスラエル首相を務めてきたネタニヤフ氏の運命は、年内で3回目となる議会選挙の開催前に決着がつき、ネタニヤフ首相は党内の同盟者らにより解任されることになります。しかし、この解任さえもイスラエルにおける政治的な行き詰まりの打開に向けたものとはならないことが考えられるのです。