3年前のノーベル平和賞の授賞式でスピーチした被爆者、サーロー節子さんがNHKのインタビューに応じ、4月からのNPT=核拡散防止条約の再検討会議に向けて、唯一の戦争被爆国である日本の国民1人1人も核兵器のあり方について考え、政府に主張していくべきだと訴えました。
13歳の時に広島で被爆したサーロー節子さん(88)は、核兵器禁止条約の交渉の過程で各国の代表に被爆体験を語り、条約の採択に大きく貢献したと評価されていて、ともに活動してきたICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンが3年前にノーベル平和賞を受賞した際には、授賞式で演説しました。
ICANの催しにあわせてフランスのパリを訪れているサーローさんは13日、NHKのインタビューに応じました。
この中でサーローさんは、ICANがノーベル平和賞を受賞した後、核問題に取り組む若者が増えているとした上で「若い人たちが私も何かできるはずだ、何をすればいいのかと模索していることがとてもうれしい」と述べました。
一方で、アメリカとロシアの核軍縮条約、INF=中距離核ミサイルの全廃条約が去年失効し「新START」も来年の期限後、延長されるかどうか不透明なことについて「悲しくて怒りに燃えている。2大核大国でこうした状況が続けばいつか破滅的なことが起きるのではないかと心配だ」と懸念を示しました。
その上で、4月から始まるNPTの5年に1度の再検討会議は、政府だけでなく、NGOなど一般市民も参加して今後の核軍縮の方向性を議論する機会だとして、唯一の戦争被爆国である日本の国民1人1人も核兵器のあり方について考え、政府や国会議員に主張していくべきだと述べました。