核兵器禁止条約の採択に貢献し3年前にノーベル平和賞を受賞したICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの事務局長が、被爆75年にあわせて広島市と長崎市の式典への出席を予定していることがわかりました。
世界の核軍縮に向けた動きが停滞する中、核兵器禁止条約の発効に向けた気運を高めたいとしています。
ICANによりますと、原爆投下から75年となることし8月、ベアトリス・フィン事務局長が広島市と長崎市で行われる式典に、それぞれ出席する予定だということです。
フィン事務局長は、ノーベル平和賞受賞後のおととし1月に広島と長崎を訪れていますが、式典への出席は今回が初めてとなります。
核大国アメリカとロシアの核軍縮条約「新START」が来年の期限以降延長されるか不透明で、世界の核軍縮に向けた動きは停滞していて、75年の節目に被爆地を訪れて、核兵器禁止条約の発効に向けた気運を高めたいとしています。
核兵器禁止条約をめぐっては、核兵器を持たない国々が署名・批准を進める一方で、核保有国や、日本を含めた核の傘の下にある国々は参加していません。
フィン事務局長は、来日の際に与野党の国会議員とも意見を交わすなど日本でも議論を深めるきっかけをつくりたい考えです。