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by hiroseto2004

感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案  外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的財政支援を ――新型コロナ対策補正予算案への提起


感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案 

外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的財政支援を

――新型コロナ対策補正予算案への提起

2020年4月16日 日本共産党

 安倍政権は、新型コロナウイルス感染症対策の「緊急経済対策」とそれにもとづく補正予算案を編成しましたが、その最大の問題点は、「外出自粛や休業要請と一体に補償を」という国民の圧倒的多数の要求に背を向けていることにあります。「補償なき緊急事態宣言」では、安心して自粛することも、休業することもできません。感染の爆発的拡大を抑止するうえでも、この姿勢を根本から改めることが必要です。

 もう一つの問題点は、医療崩壊を阻止するための実効ある措置が、まったく盛り込まれていないことです。医療の実態は、PCR検査が遅れに遅れ、多くの国民が必要な検査を受けられない状態が続くもとで、市中感染が広がり、各地の病院で院内感染が広がるなど、きわめて深刻です。政府は、この深刻な問題に対する方策をもたず、補正予算の内容も貧弱です。ここにもただすべき中心点があります。

 日本共産党は、外出自粛・休業要請と一体の補償に踏み出す、新型コロナの検査体制の抜本的改善・強化と医療現場への本格的財政支援を行うなど、直面する新型コロナ危機から国民の命と暮らしを守る予算を編成すること、そして、消費税5%減税をはじめ、経済危機から国民の生活を守るために政治が責任を果たすことを求めます。

1、外出自粛・休業要請などによって、直接・間接の損失を受けている、すべての個人と事業者に対して、生活と営業が持ちこたえられる補償を、スピーディーに実施する

(1)緊急に、すべての日本在住者を対象に1人10万円の給付金を支給する

 政府の「世帯に30万円」給付は、「収入が半減」とか「収入が減って住民税非課税水準に」など、さまざまな条件で「線引き」するために、対象が狭いうえに、不公平をつくりだします。例えば、「半減」という条件のために、単身世帯で月収が30万円から15万円に減った人は対象になりますが、25万円から13万円に減った人は対象になりません。収入が6割、7割に減った人も生活が大変なことには変わりがありません。困っている人の中で、国が「線引き」をして、分断を持ち込む――社会の連帯が必要なときに絶対にやってはならないことです。

 政府の方針に対し、国民から強い批判が噴き出すなかで、与党内からも、給付金は「1人10万円」にという声があがり、首相も「方向性を持って検討する」と言わざるを得なくなっています。そうであるなら、速やかに補正予算を組みなおして、条件や「線引き」なしに「1人10万円」を給付すべきです。

 ――すべての日本在住者を対象に「1人10万円」の給付金を支給します。すべての人を対象にすることが、スピードという点でも、「線引き」による不公平をつくらないという点でも、最も有効な方法です。給付は、住民登録されている市町村を窓口に、諸外国で行われているように、本人確認ができる簡易な申請(郵送やメールなど)で指定された口座に振り込み、住民登録や銀行口座がない人にも福祉窓口などから支給できるようにします。

(2)生活と事業を支えるための継続的な補償を行う

 ――「生活を支える」という点では、休業を余儀なくされた労働者(正社員も非正規社員も)、個人事業主、フリーランスなどの賃金・収入の8割を補償します。

 雇用調整助成金を「コロナ特例」として、賃金の8割(上限月額30万円)まで引き上げます。企業負担をなくし、労働保険特別会計の積立金を活用するとともに、不足する場合は一般会計から補填(ほてん)します。「8割の補償」は、英国などでも行われており、「世界で最も手厚い支援」(首相)というなら、当然のことです。

 雇用調整助成金は、相談件数の4万7千件に対して、支給申請受理が214件、支給決定は2件(4月3日時点)です。遅すぎます。「事後審査」を基本に相談・申請があれば迅速に支給するようにします。自粛要請で「開店休業」状態も雇調金の対象にするなど実態に即した対応を求めます。

 個人事業主やフリーランスなどで働く人に対し、全額国が負担し、同じ基準で収入の8割を補償します。

 ――「事業の継続を支える」という点では、政府案の「持続化給付金」の対象を拡大するとともに、給付額を家賃やリース代などの固定費を補償できる額へと引き上げ、一回きりでなく継続的な補償を行います。

 政府案は、「持続化給付金」として、「売り上げが半減以上」の個人事業主・フリーランスには100万円以内、法人には200万円以内を給付するとし、この給付金は「人件費を除く固定費の半分程度を給付するという考え方」(経済産業省)と説明しています。

 「売り上げが半減以上」の条件では少数の事業者しか対象になりません。対象を直接・間接に損失を受けた事業者全体に拡大します。

 給付額を、固定費を払える額へと引き上げます。休業を余儀なくされた事業者に対しては固定費の全額を補償し、感染防止対策のために安心して休業できるようにします。

 一回限りでなく、3カ月単位で支給を継続します。

 国保料(税)の緊急減免をはじめ、税・社会保険料の減免、消費税の延納を行います。

 ――無担保・無利子融資の審査を迅速化して、中小企業の資金繰りを支えます。

 無担保・無利子融資は、5000億円から35兆円へと拡充されましたが、問題は、ここでもスピードです。「事後審査」を導入するなど迅速な融資決定にします。

 ――イベント中止などによるキャンセル料、会場費などの必要経費を補填する。

 イベントの開催自粛は、政府が繰り返し名指しで行ってきたことです。中止による損失は甚大であり、とくに舞台を「裏方」で支えている方々が深刻な苦境に陥っており、放置すれば、かけがえない日本の文化・芸術・芸能が壊されてしまいます。にもかかわらず、政府が、いっさいの補償措置をとっていないのは、きわめて重大な問題です。必要経費は国が責任をもって補填します。

 ――「地方創生交付金」の規模をせめて2倍にして、地方経済を支援します。

 「交付金」を、観光や運輸をはじめ、地方で重要な位置を占める産業・業種への支援や、地方独自の外出自粛・休業補償などをすすめる重要な財源として拡充します。

2、医療崩壊を止めるために、検査体制を抜本的に改善・強化するとともに、医療現場への本格的財政的支援を行う

 院内感染の多発に象徴されるように、すでに医療崩壊は始まりつつあり、これを何としても阻止することが急務です。

 ところが政府の対策は、医療崩壊を止めるうえでの決定的なカギとなっている検査の遅れの打開策がまったく示されておらず、新型コロナへの対応で甚大な財政負担を強いられている医療機関への財政的補償の枠組みもありません。

(1)PCR検査センターを各地につくり、必要な人を速やかに検査する体制に転換する

 検査体制の抜本的な改善と拡充は緊急課題です。すでに感染経路のわからない感染者が多数になっており、集団感染(クラスター)を追跡するこれまでの検査方式は限界に達しています。必要な検査を大規模に行う体制への転換が急務です。

 ――多くの医療関係者から「必要な人に検査と治療・隔離をすみやかに行うために、PCR検査センターを各地で立ち上げる」ことが提案されています。医師会や自治体でもPCR検査センターを設置する動きが起こっています。医師会、DMAT(災害派遣医療チーム)、大学等の協力も得ながら、公共施設なども利用して、PCR検査センターを各地につくります。

 ――検査の仕組みを抜本的に改善します。「帰国者・接触者相談センター」(保健所)を介さなければ、検査を受けることができないという、これまでの体制を抜本的にあらためます。医療関係者から次のような体制への転換が提唱されています。

 感染が疑われる人は、①かかりつけ医や一般病院の医師にまず電話で相談し、②医師が検査が必要と判断した場合には、PCR検査センターで診察と検体採取を行って、検査を実施し、③陽性の場合には、保健所に連絡するとともに、重症者・中等症者は指定病院・協力病院に入院し、軽症者は指定された宿泊療養施設での隔離をします。十分な条件がある場合は自宅での療養も可能にしますが、症状が急速に悪化することが多いので、万全な体制が必要です。

 この提案は、迅速に大量の検査を行うとともに、感染の危険から医療機関を守るうえで、合理的な提案です。政府が真剣に検討・実行することを求めます。

 ――医師会などの協力も得て、発熱外来をつくり、不安がある人が「電話での相談」だけでなく、受診できるようにすることも必要です。

 ――国の責任で、PCR検査センターや発熱外来に、必要な予算、体制、医療用マスクをはじめ医療機器を配置するようにします。

 ――抗体検査を早期に導入するようにします。

(2)医療機関への財政的補償と、地域医療全体を支える財政支援をすすめる

 病院が新型コロナ患者を受け入れるためには、膨大な財政的負担がかかります。コロナ患者の受け入れのためにベッドを空ければ減収になり、医師・看護師などもコロナ患者対応のための体制を確保しなければならず、動線・診察室・病室・場合によっては病棟全体も一般患者と別にしなくてはなりません。隔離をするために、一般診療や入院患者数を縮小しなければなりません。手術や健康診断も先のばしする必要がでてきます。新型コロナ患者受け入れによる減収分の助成を決めた東京・杉並区は、1病院あたり月額1億2800万~2億8000万円の減収が生じると試算しています。緊急に財政的補償の裏付けがないままでは、その対策を行うことはできません。

 くわえて、新型コロナの影響での受診抑制によって、開業医でも病院でも、どの医療機関も患者数が激減しています。政府の医療費削減政策で厳しい経営になっていたところへの打撃で、このままでは病院が次々に倒産しかねません。感染症拡大を防止し、国民の命と健康を守るうえで、きわめて事態は深刻です。 

 ――新型コロナ対策にあたる医療機関に対して、コロナ患者のためにベッドを空けておくことによる減収、コロナ患者に対応するための一般診療や入院患者数の縮小などによる減収、専属の医師・看護師、病院体制をつくるための経費など、コロナ対策にかかる費用を全額補償します。

 ――新型コロナ対策にあたる医療機関も、一般の医療を続ける医療機関も、受診抑制による深刻な減収に直面しています。地域の医療提供体制を維持するための財政的措置をとります。

 ――軽症者、無症状者のための宿泊療養施設を大規模に確保するとともに、中等症者、重症者を治療するコロナ特別病棟の確保と臨時の病床増設をすすめます。

 ――不足している医療用マスク、フェイスシールド、防護服、消毒液、人工呼吸器などを国がメーカーに要請して増産・調達するなど、国の責任で必要数を確保します。

 ――治療薬とワクチンの研究・開発予算を抜本的に増額します。

(3)医療崩壊を止めるための予算を数兆円規模に増額する

 補正予算案では、PCR検査、ベッドや軽症者の宿泊療養施設確保など、すべて含めて医療体制支援は、わずかに1500億円程度にすぎません。マスクの確保、治療薬の開発など、その他の予算をふくめても8000億円程度です。

 こんなわずかな予算では、医療崩壊を止めることはできません。

 予算を数兆円規模に拡大し、医療崩壊を止めるために、あらゆる手だてをつくすことが必要です。

3、介護・障害者など社会保障の体制を守り、ジェンダーの視点での対策をすすめる

(1)介護・福祉施設での感染防止、事業所の受けている損失と負担を補償する

 介護施設での感染を防止することは、犠牲者を最小にするうえで、きわめて重要な急務となっています。

 また、介護事業は、デイサービスや訪問介護の中止・縮小を余儀なくされ、事業所は大幅な減収となっています。このままでは介護事業所の倒産・廃業、介護労働者の離職が相次ぎ、介護サービス基盤が崩れてしまう危険に直面しています。

 ――感染の疑いがある利用者を訪問する場合の対応などを、介護事業者まかせにせず、国の責任で市町村や保健所などが相談にのれる体制を早急につくります。介護労働者も、利用者も、感染の疑いがある場合は、必ず検査を行い、安心して介護を続けられるようにします。

 ――感染者や濃厚接触者への訪問介護等に関する介護報酬や、訪問サービスを含む新型コロナウイルスに対応した事業所の従事者への特別手当を創設します。

 ――介護事業所の感染症対策の必要経費を補償し、感染防止に最善をつくします。

 ――不足しているマスク、防護服、消毒液などを、病院と同等に優先的に供給します。

 ――デイサービス中止などによる減収分を全額補償します。

 ――障害者施設についても、介護事業と同様の問題が起きており、補償します。

(2)DV・子どもの虐待への相談体制と緊急避難先確保をはじめ、コロナ対策でもジェンダーの視点を重視する

 外出自粛要請によって、DV(ドメスティックバイオレンス)や子どもの虐待が増えています。シングルマザー家庭や、非正規労働者、家庭に居場所のない若年女性などは、解雇やシフト削減に直面すると一気に生活困窮に突き落とされてしまいます。日本社会に広く残されているジェンダー差別が、この問題でも深刻な矛盾となって表れています。

 医療や保育、学童保育、介護、そして、食料品や日用品の安定的な販売など、感染症拡大の中でも、社会の基盤を支え、命と健康を守るために、多くの女性が働き、その力で支えています。しかし、政府の対策策定に女性の参加が決定的に少なく、コロナ最前線でがんばっている女性への連帯のメッセージもありません。コロナ対策にジェンダーの視点をつらぬくことが求められています。とくに、次の対策を緊急に取ることを求めます。

 ――DVや虐待に対する相談窓口やワンストップ支援センターなどの相談・支援体制を緊急に拡充し、緊急避難先(ホテル、公共施設など)を確保します。休校の長期化で子どもの状態がわかりにくくなっており、子どもを虐待から守るため、教育と児童相談所の連携強化を行います。

 ――女性が多いパート、派遣などの非正規労働者の不当な解雇・雇い止めをやめさせ労働行政の監視と指導を強めます。政府の給付金は、対象が狭く、児童1人1万円の手当ではとても実態に合いません。「1人10万円」をすべての日本在住者を対象に支給することが必要です。政府のような「世帯」ではなく個人を対象にすることはジェンダー平等の視点からも大切です。

 ――出産予定の病院が突然閉鎖になる、里帰り出産を断られる、両親学級が閉鎖されるなど、妊婦にさまざまな影響と不安を広げています。ネットや電話での特別な相談体制、「コロナ対応」転院による負担増を起こさないなど、必要な対策を強化します。

(3)学生への支援を国の対策に位置づける

 学生は、キャンパスに入れず、アルバイトもなくなり、帰省もできずに、アパートにこもることを「要請」されています。ところが政府の対策には学生が抜け落ちています。

 ――学生アルバイトによる収入減も支援対象として8割を補償する、休校や構内立ち入り禁止期間中の学費(授業料)を、国が全額補填して返還するなどの支援策をすすめます。この期間は、奨学金の返済を猶予します。

4、消費税5%への減税に踏み切る

 外出を自粛していても、食料はじめ生活必需品は購入します。そこにかかる消費税を減税することは、所得の少ない人ほど手厚くなる重要な生活支援策です。そして、新型コロナ感染が終息に向かう時期には、最も効果的な消費喚起、需要拡大効果となります。

 日本経済は、消費税増税で打撃を受けていたところに、コロナショックともいえる需要と消費の大きな減退がおきています。消費税率5%への引き下げは、一時的ではない経済対策として大きな力を発揮します。

 ――消費税5%への減税に踏み切ります。

 ――その財源は、コロナ終息後に、大企業や大金持ちに応分の負担を求めるなど、応能負担を原則とした税制の見直しをすすめて確保します。


by hiroseto2004 | 2020-04-16 22:25 | 新型コロナウイルス | Trackback