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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

移動自粛で帰省できず 遠距離介護に大きな影響

これはほんとうにしんどい。心中お察しします。






移動自粛で帰省できず 遠距離介護に大きな影響

新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に緊急事態宣言が出され都道府県をまたいだ移動の自粛が求められる中、「帰省したくでもできない大型連休」が始まりました。こうした状況は、遠くに住む親などの「遠距離介護」を続けてきた人たちにも大きな影響を及ぼしています。

「ひとりでがんばらない40歳からの遠距離介護」というブログを運営している作家で、ブロガーの工藤広伸さん(47)は、東京を拠点に介護に関する執筆や講演を行うかたわら、7年余り前から月2回のペースで岩手県に帰省し、盛岡市の実家で1人で暮らす76歳の認知症の母親を介護してきました。

無理のない形で介護が続けられるよう、県内に住む妹と連携するとともに、訪問介護やデイサービスなどを組み合わせて、毎日必ず誰かの目が届くような体制を整えてきました。

さらに実家に2台の「見守りカメラ」を設置して、スマートフォンやパソコンで母親の様子を確認し、IT機器による遠隔操作で部屋の温度を上げ下げしたり、テレビのチャンネルを好みの番組に合わせたりするなど、母親が1人で困らないよう工夫を重ねてきました。

離れて暮らしながらできるかぎりのことをしてきた工藤さんですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、先月下旬から帰省できない状態が続いています。

工藤さんは「高齢の母は重症化のリスクが高いうえ、私が帰省してしまうと世話をしてくれているヘルパーや看護師、理学療法士、それにその家族にも迷惑がかかってしまうおそれがあるので帰れません。直接会って話したり、日々の生活をサポートしたりすることの積み重ねが認知症の進行を遅らせていると信じてこれまでやってきたので、それをしてあげられないのはすごく残念だし、不安です」と話しました。

工藤さんが特に心配しているのは、帰省できないことで母親が料理を作る機会が減ってしまうことです。かつて民間企業の社員寮の寮母だった工藤さんの母親にとって、手料理をふるまうことは生きがいの1つで、調理法や手順を考え、手を動かすことが認知症のリハビリにもつながっていました。

工藤さんは帰省した際、得意料理の多くを忘れてしまった母親のために、日々の献立をホワイトボードに書いて台所の上に必要な食材をそろえ、料理するよう自然な形で促してきました。

こうした認知症の進行を食い止めてきたきめ細かいサポートは、帰省して直接触れ合うからこそできることで、介護サービスやオンライン帰省は代わりにはなりません。

工藤さんは「料理を作らなくなると自分で手を動かさなくなり、認知症の進行が早まってしまう。会えないことで症状が一気に悪化し、自分の顔すら忘れてしまうかもしれないと考えると、耐え難いです」と話していました。

岩手県ではこれまでのところ感染者は確認されていませんが、数日前、利用している事業所から「感染が発生している地域の方と接触のある利用者には2週間利用を休止してもらいたい」という連絡が来たため、ますます帰省しづらくなり、母親に会える見通しは立っていません。

工藤さんはこのままの状態が長く続くようなら、いずれはレンタカーを借りて岩手に行き、食料を持って山奥にこもったり実家の庭にテントを張ったりして、2週間誰とも会わずに「セルフ隔離」してでも実家に帰らなければならないと考え始めています。

工藤さんは「オンラインでの見守りやつながりはもちろん大事で、これからも外せないツールとして使い続けますが、料理や掃除といった生活のリハビリを促したり、通院や散歩の介助をしたりするなど自分が帰らないとできないこともあります。緊急事態宣言が解除されても感染を広げてしまうリスクがあるかぎり帰省するのは難しいので、1日も早い収束を願うしかありません」と話していました。


by hiroseto2004 | 2020-04-29 23:12 | 新型コロナウイルス | Trackback