【舩後靖彦(参議院議員)活動報告】「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う『命の選別』への声明」契機にスイスの劇場のドキュメンタリー企画の取材受ける
2020年 05月 22日
【活動報告】
先日公表した
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う『命の選別』への声明」(https://yasuhiko-funago.jp/kokkai/page_200413.html)
をきっかけに、スイスの劇場「チューリッヒ・シャウシュピールハウス」のドキュメンタリー企画の取材を受けました。
この企画は、新型コロナウイルスを巡る「トリアージ」の問題について、世界各国の状況を追いかけたものです。
日本では、独立行政法人国立病院機構新潟病院の中島孝院長と、舩後がインタビューを受けました。
説明等は英語ですが、日本語で聞くことができます。
https://neu.schauspielhaus.ch/…/triage-an-interview-series-…
ぜひご覧ください。
2020.4.13 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「命の選別」への声明
まず、新型コロナウイルスの感染拡大により、亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げます。また、療養中の方々に関しては一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。そして、医療・看護職、介護職をはじめ、生活を守って下さっている皆様に心より感謝申し上げます。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、国内外で気管挿管型の人工呼吸器の不足が懸念されております。そうしたなか、命の選別が行われかねない状況が報道されております(参考1、参考2)。また、こうした海外の現状をもとに、医師、看護師、倫理学者、弁護士らからなる生命・医療倫理研究会の有志が、感染爆発時の人工呼吸器の「再配分(人工呼吸器を装着している患者からの取り外しと新たな患者への装着)」の容認などを提言しています(参考3)。
約18年前から、喉を切り開く手術を経て、気管挿管型の人工呼吸器を使用して生きている難病当事者として、命の選別が行われることに、強い懸念を示します。
感染症の感染が広がった現状でなくても、難病や障害のある人たちは、脆弱な医療・福祉体制から、「生きる」という選択をできない実態があります。私が発症したALSという病気も、人工呼吸器をつけなければいずれ死に至りますが、患者のうち7割が人工呼吸器を装着せずに亡くなるとされています。高齢者や難病患者の方々が人工呼吸器を若者などに 譲ることを「正しい」とする風潮は、「生産性のない人には装着すべきではない」という、 障害者差別を理論的に正当化する優生思想につながりかねません。今、まず検討されるべきことは、「誰に呼吸器を付けるのか」という判断ではなく、必要な人に届けられる体制を整備することです。
政府も緊急経済対策の中で、人工呼吸器の増産や輸出拡大のための予算を計上するなど取り組みを進めています(参考4-1、参考4-2)が、必要な医療が必要な人に届く政策に全力を尽くして頂きたいと存じます。また同時に、集中治療室などで働く医療職、看護職の方々の人材確保や維持、治療・労働環境の整備、心身へのサポートを徹底して行うべきと考えます。
国民の皆様一人一人におかれましては、弱い立場におかれる人が「生きたい」と言える 社会に、命の価値を選別しない、つまり命の価値に順列を付けない社会への理解を深めて下さいますよう、心よりお願い申し上げます。「命の価値は横一列」と、私は考えています。どなたでも、その価値は同一です。
2020年4月
参議院議員 舩後靖彦