米の公園で運動中のフィリピン系女性に嫌がらせ
2020年 06月 14日
米カリフォルニア州南部の公園でこのほど、年配の女性が運動中のフィリピン系米国人女性に差別的な言葉で嫌がらせをする様子が撮影され、インターネット上に拡散しました。
米CNNによりますと、 米国ではこのところ人種差別行為を捉えた動画がSNSで広く共有される例が相次いでいます。
今回の動画には、女性が公の場で用いることがはばかられるFワードを交えて「ここから出ていけ。この州から出ていけ。どこでもいいからアジアの出身国に帰れ」とののしる様子が映っています。
この動画は沿岸部の都市トーランスで10日に撮影されたもので、ネット上で数千回視聴されました。年配の女性は、運動するために階段をふさいだとして、自分より若いフィリピン系米国人の女性を怒鳴りつけています。また、この女性が「ここはあなたの場所じゃない。あなたの家じゃない。ここにいて欲しくない」などと叫ぶ様子も確認できます。
被害女性は、以前ソーシャルメディアで同じような人種差別行為を見聞きしたことがあったものの、自分の身に起きるとは思ってもいなかったとしています。米国では現在、ミネソタ州で黒人男性が警官によって殺害された事件を受け、人種差別に抗議するデモが各地で続いています。
被害女性は「私はただ自分のことに集中していただけ」と説明し、「まさか自分の身にこんなことが起きるなんて。自分のことに集中していれば何も起きないと思っていた」と振り返っています。
この女性はハワイで生まれ育ち、ハワイを彷彿(ほうふつ)させるところがあるトーランスを「故郷」と呼んでいたものの、今は「もう安全とは思えない」「外出もしたくない」と語っています。
トーランス警察はCNNの取材に対し、この女性から11日に被害届の提出があり現在捜査を進めていると明らかにした。
国勢調査のデータによれば、トーランスは人口の36.6%がアジア系で、米国で日系米国人が最も多い都市の一つでもあります。