去年の参議院選挙の選挙違反事件をめぐって、前の市長が河井克行前法務大臣から現金を受け取ったことを認めて辞職したのに伴い、9日投票が行われた安芸高田市の市長選挙は、無所属の新人で元銀行員の石丸伸二氏が(37)初めての当選を果たしました。
安芸高田市長選挙の開票結果です。
▼石丸伸二、無所属・新。
8076票。
当選。
▼竹本峰昭、無所属・新。
5344票。
元銀行員の石丸氏と、前の副市長の竹本氏による新人2人の争いとなった市長選挙は、石丸氏が制しました。
石丸氏は、安芸高田市出身の37歳。
京都大学を卒業後、今の三菱UFJ銀行に入り、法人営業のほか、アナリストとして、金融市場の分析や調査に携わってきました。
今回の市長選挙は、河井克行前法務大臣と妻の案里参議院議員が逮捕・起訴された選挙違反事件をめぐり、前の市長が河井前大臣から現金60万円を受け取っていたことを認めて辞職したのに伴い行われ、政治・行政の信頼回復などを争点に選挙戦が繰り広げられました。
選挙戦で、石丸氏は、若さをアピールするとともに、金融や経済の第一線での業務に携わった経験をいかして市政を全面的に刷新していくと訴えて支持を広げ、初めての当選を果たしました。
【石丸氏 喜びの声】
安芸高田市の市長選挙で初当選を果たした石丸伸二氏は、「外から見ている時、このまち、この県は、もうだめなのではないかと思っていたが、まだ間に合った。その安心感でいっぱいだ。ここから政治の再建、都市開発、産業創出の3つの柱で進めていく。困難な取り組みになると思うがその最初の一歩をしっかりと踏み出せた。この町はこれからどんどん変わり、注目を集めていく。皆さんで新しい政治、新しい安芸高田を始めよう」と述べました。
【竹本氏 敗戦の弁】
落選した竹本峰昭氏は、「一生懸命戦ったが、このような結果になり、真摯に受けとめたい。選挙戦では、説明不足な部分が
あったと思う。ある程度接戦になると想定し、ここまで差がつくとは思っていなかった。当選した石丸氏には、地域の声をしっかり聞いて行政の運営にあたってほしい」と述べました。