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by hiroseto2004

視点:UAEとイスラエルの合意、対価なき和平

日本の安倍政府=アメリカ
原子力(核)村=イスラエル
広島市長・知事=UAE政府
黒い雨被害者=パレスチナ民衆
に見えてきました。




8月 15, 2020 13:53 Asia/Tokyo
  • シオニスト政権のネタニヤフ首相とアブダビ首長国のムハンマド皇太子
    シオニスト政権のネタニヤフ首相とアブダビ首長国のムハンマド皇太子

UAEアラブ首長国連邦、シオニスト政権イスラエル、そしてアメリカが共同声明を発表し、UAEとイスラエルが国交正常化をめぐり合意したことを明らかにしました。

この合意は、次のいくつかの側面から捉えることができます。

第1の点は、この合意の時期的な側面です。

UAEは、イスラエルとの国交正常化に踏み切った初のアラブ国家ではありません。すでに1978年には、エジプトキャンプ・デービッド合意に基づく平和条約、また1994年にはヨルダンが’ワディアラバ平和条約によってイスラエルとの和平にそれぞれ踏み切っており、両国にはイスラエル大使が駐在しています。

エジプトがイスラエルとの平和条約を締結したのは、アラブ諸国が4つの連続した戦争でイスラエルに敗北し、イスラエルの弱体化に希望が持てなかった状況下でのことでした。実際に、エジプトによるイスラエルとの和平は万策尽きた上での苦肉の策だったと言えます。そのような中、レバノンとパレスチナの抵抗軍によりイスラエル軍が敗北を喫したことがこれまでに何度となく証明されてきました。しかも合意が発表された日は、2006年の33日戦争で抵抗軍がシオニスト政権に勝利した記念日にあたります。その一方で、イスラエルは成立以来これまでの72年間で最悪といえる時期にあります。その占領地では日々、ネタニヤフ現政権に対する抗議行動が行われています。

第2の点は、この和平に対して何が得られたのか、ということです。

キャンプ・デービッド合意、ワディアラバ平和条約、そしてイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の間で結ばれたオスロ合意は、土地の解放と引き換えという対価がありました。すなわちこれらの合意に対し、イスラエルに占領されていた地域の一部が解放されるはずでした。しかし現在、占領地のうち猫の額ほどの地域も解放されておらず、また、パレスチナ・ヨルダン川西岸のイスラエルの併合計画もまだ破棄されないまま、延期された形となっています。

ネタニヤフ首相はこれに関して、次のように断言しています。

「我々は、ヨルダン川西岸併合計画を維持している。決してこれを断念することはない。トランプ米大統領はヨルダン川西岸地域の入植地を正式に承認している。この計画を延期したのは私ではなく、トランプ氏がその延期を要求してきたものである」

アメリカのデイヴィッド・フリードマン駐イスラエル大使も、「イスラエル領へのヨルダン川西岸併合計画は取りやめになったわけではない。一時的に停止されているに過ぎない」と強調しています。このような状況を鑑み、パレスチナ問題の専門家セイエド・ハーディー・ボルハーニー氏は、UAEとイスラエルの合意を「対価なき和平」と表現しています。

そして、第3の点として、UAEとイスラエルの合意が、今年1月のアメリカ提唱による一方的なパレスチナ問題解決策=「世紀の取引」と称するより大きなテーマの枠組みで成立したことが挙げられます。一部のアラブ系情報筋がこの合意の発表直後に主張した内容に反し、世紀の取引はこの合意の成立にともない脇に追いやられたのではなく、実際はアメリカの人種主義的な計画の枠組みで合意がなされたのです。イスラエルとアラブ諸国との国交の正常化は、世紀の取引の側面の1つであり、実のところ「世紀の取引の精神」だと言えます。このため、UAEの行動は、バーレーンなどの国がイスラエルとの国交正常化に向かって踏み出す契機となりかねません。この点を踏まえ、イスラエル系のある筋はシオニスト系テレビ局・11チャンネルとのインタビューで「バーレーンは、UAEと同様にイスラエルとの国交正常化に踏み切る、2番目のアラブ国家となるだろう」と報じています。

そして、第4の点は、これ以前に既に「アラブとパレスチナ」という要素が、一部のアラブ諸国の対外政策において色褪せつつあったものの、今回の合意でこの要素が完全に除外されたことを示したという点です。イスラエルとUAEの今回の合意が成立したのは、今年1月28日にトランプ米大統領が「世紀の取引」などと銘打った人種主義的な計画を公表した後、パレスチナの人々に対するイスラエルの犯罪がはっきりと増大の道をたどる中でのことでした。

UAEは、イスラエルの犯罪からパレスチナを守るどころか、PLO執行委員会のサエブ・アリカット(Saeb Erakat)事務局長が述べているように、まさにイスラエルにその犯罪行為に対するボーナスを与えたことになるのです。


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by hiroseto2004 | 2020-08-16 21:05 | 国際情勢(パレスチナ情勢) | Trackback