IAEA事務局長が、イラン訪問の成果を高評価・イラン大統領、「核のプロとしてのIAEAの立場が強化されるべき」
2020年 08月 27日
今回のIAEA事務局長によるイラン訪問はまあまあの成功だったようです。
IAEA事務局長が、イラン国立博物館を視察
テヘランを訪問中のIAEAのグロッシ事務局長は、テヘランにあるイラン国立博物館を視察しました。
グロッシ事務局長は26日水曜、この博物館の様々なコーナーや遺物を視察すると共に、博物館の記憶帳に『この度、ユニークであるイラン国立博物館を視察し、悠久のイラン古代文明に触れる機会ができて光栄である』と記しました。
グロッシ事務局長は同日、イランの政府高官と会談し、共同声明を発表した後、オーストリア・ウィーンに向け、テヘランを出発しました。
IAEA事務局長が、イラン訪問の成果を高評価
IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長は、IAEAによる近日中の査察及び検証活動についてイランと合意した日付がもう間もなくであることを発表しました。
イルナー通信によりますと、グロッシ事務局長は、イランへの2日間の訪問の後、27日木曜未明、2か所の施設への査察をめぐるイランとの合意に関して、記者らの質問に応じ、「我々は通常、正確な日付を開示しない。その理由は、セーフガードの一部情報は機密であるからだ。しかし、我々はこれが非常に近い将来に行われることで同意した、と言うことはできる」と答えました。
グロッシ事務局長は、「イランが本来の完全な査察をあるべき形で提供すると確信しているのか?」との問いに、「もちろん、私は完全に確信している。査察には何の制限もかけられていない」と強調しました。
イランとIAEAによる共同声明は、包括的セーフガード協定と追加議定書の完全な実施を促進するための二国間協力と相互信頼の強化を強調しています。
イランは繰り返し、秘密裏の核活動をしているというあらゆる主張を否定しており、自国の核開発計画をIAEAの規約と監視の下で平和的な目的のために継続していると強調しています。
イラン大統領、「核のプロとしてのIAEAの立場が強化されるべき」(動画)
ローハーニー・イラン大統領が、「IAEA国際原子力機関の独立性や中立性、核の専門性の維持はきわめて重要である」とし、「核の専門機関としてのIAEAの立場が、これまで以上に世論において強化される必要がある」と語りました。
ローハーニー大統領は26日水曜、イランを訪問中のラファエル・グロッシ・IAEA事務局長とテヘランで会談し、「IAEAは、イランが自発的に実施している追加議定書やセーフガード協定の分野における、自らの専門的・技術的な責務に加えて、核合意やこの多国間条約に関しても重大な責務を担っている」と述べています。
また、グロッシ事務局長の今回の訪問におけるイランとIAEAの合意に言及し、「イランは、わが国にとっての問題を作り出そうと常に目論む一連の敵がいる。これらの敵は核兵器を保有していながら、IAEAに協力していない」としました。
一方、グロッシ事務局長もこの会談で、今回のイラン訪問で同国とIAEAの間に合意が成立したことを喜ばしいものだとし、両者によるこれまで以上の関係拡大・強化を強調しました。
さらに、「核合意は、全ての関係方面にとってIAEAの指標となる大きな成果であった。その維持のために、IAEAには重大な責務が委ねられている」と語っています。
そして、「IAEAの機能は、専門的・技術的なものである」とし、「イランとIAEAの協力は、外的な要因や雑音に影響されてはならない」と述べました。
イランとIAEAは、グロッシ事務局長の2日間のイラン訪問の終了に当たって声明を発表し、「両者は、規約実施に関して、IAEAにより明確にされた一連の問題を、善意に基づき解決することで合意に達した」と表明しています。