米大統領、安倍首相のイラン訪問前に約束破談か
2020年 09月 13日
米大統領、安倍首相のイラン訪問前に約束破談か
最近、共同通信の報道から、米国とイランの仲介を試みた安倍政権が緊張緩和に向け、日本を経由してイラン産原油と米国産穀物を交換する案を極秘に提示していたという、当時の状況下で両国の主要産品取引で対話を促す、安倍政権の中東外交の内幕が明らかになりました。
それによりますと、この案はイラン側の不満により実現に至らなかったとされていますが、安倍首相のテヘラン訪問目前に、安倍首相への約束を取り消し、ペルシャ湾での安全保障に対抗する一部の措置を講じることで、事実上安倍首相の努力を無視し、同首相のテヘラン訪問を妨害しようとしていたのはアメリカだったということです。
数日前に、共同通信は一部の情報筋の主張として、「アメリカとイランの間の緊張緩和を目的とした、昨年6月の安倍首相のテヘラン訪問前、安倍政権はイラン産原油と米国産穀物を、日本を舞台に物々交換する案を極秘に提示していた。しかし、この外交努力をイラン側が不服としたため、ご破算となった」と報じました。
イラン学生イスナー通信はこの問題を追跡する中で、「安倍首相はテヘラン訪問前に地域での緊張やアメリカの違法な圧力・制裁行使の緩和への寄与に向けたイニシアチブに関して、イラン側と協議していた」という事実を突き止めました。
入手済みの情報によりますと、イランは日本との友好関係や安倍首相への表敬を理由に、「アメリカの政府関係者の表明をまったく信用していないが、安倍首相の提案には耳を傾ける用意がある」と表明していました。しかし、アメリカ側は安倍首相のイラン訪問の直前に、同首相に対する約束を撤回し、ペルシャ湾での安全保障に反する一部の措置に出て、事実上安倍首相の努力をないがしろにし、安倍首相のテヘラン訪問への妨害工作を行ったということです。しかし、日本・イラン両国の旧来からの友好関係により、安倍首相のテヘラン訪問は滞りなく実施されました。
この報告によれば、共同通信は数日前にある記事の中で、「2人の日本政府筋が共同通信に対し、昨年のイラン産原油とアメリカ産穀物の交換取引は、アメリカとイランの仲介に向けた努力として、安倍首相のテヘラン訪問において提起されることは確実だとした」と報じました。
この提案によりますと、アメリカの対イラン制裁は、イラン産原油とアメリカ産大豆を日本を経由して交換することで回避されるはずでした。アメリカは当時、中国との貿易戦争に直面しており、自国産の穀物の購買先を探しており、またイランも各種の制裁のため、原油の輸出相手を求めていました。
共同通信はこの報告において、「イランに対米交渉をより強く促すことを主軸としたこの外交努力は最終的に失敗した。その理由は、日本が、対米交渉前の制裁の全廃というイランの主張を解決できなかったからであるとしています。
また、「ほかにも、日本の仲介工作が失敗した主な原因として、アメリカに対するイランの根強い不信感、そしてトランプ現米大統領による情勢不安を扇動する政策が挙げられる」としています。
さらに、ほかの情報筋は「日本の計画が失敗したものの、そのほかの友好国が提案したプランは本格的に検討されている」としました。
昨年9月には、フランスが150億ドル相当の対イラン融資ラインの設置を提案しています。
この情報筋はほかにも、「日本の提案のほうが、フランスの提案よりもよく整理され、よりよかった。昨年末には、合意成立の可能性を高めるため、イランに対し日本とフランスの双方の提案を検討させるための工作も行われていた」としました。