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by hiroseto2004

声明: 政府は福島第一原発ALPS処理汚染水を海洋放出してはならない 汚染水は陸上で長期にわたる責任ある管理・処分を行うべきである NHKも報道

「大型タンクによる陸上での保管」あるいは「モルタル固化による処分」ですよね。それからそもそも、30-40年で廃炉ができるというのが甘い。それこそ百年単位になる。それくらい重大な事故だったということ。

http://www.ccnejapan.com/



声明: 政府は福島第一原発ALPS処理汚染水を海洋放出してはならない
汚染水は陸上で長期にわたる責任ある管理・処分を行うべきである

原子力市民委員会
  座  長:大島堅一 座長代理:満田夏花 
  委  員:荒木田岳 大沼淳一 海渡雄一 金森絵里
       後藤政志 島薗 進 清水奈名子 筒井哲郎
       伴 英幸 松原広直 除本理史

  1. 報道によれば、政府は、福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水(以下、汚染水)の海洋放出を近く決定するとされている。海洋放出に対しては、経産省が行った公聴会や意見聴取会でも反対の声が多数寄せられ、福島県内の自治体の決議、漁業団体からの要請、一般からの署名等においても海洋放出反対の民意が示されている。これらの声をないがしろにして、海洋放出を政府が決定することは、あってはならない。
  2. 現在タンクに保管されている汚染水には、トリチウム以外の多核種の放射性物質が含まれている。東京電力は「二次処理」をするとしているが、「二次処理」した結果、どの核種がどの程度残留するのか明らかではない。また、トリチウムの人体への有害性には諸説あり、薄めて流せば安全などというようなものではない。これらの事実を「風評被害対策」で覆い隠すことはできない。
  3. 「大型タンクによる陸上での保管」あるいは「モルタル固化による処分」が、既存の技術によって確実に対処できる望ましい方法である。これによって、汚染水は、陸上で長期にわたって責任ある管理・処分ができる。しかし、政府は、陸上での大型タンク保管やモルタル固化について、用地の確保などを真剣に検討しないまま、時間を浪費し、敷地の不足を理由に、なし崩し的に海洋放出を決定しようとしている。汚染水問題は、2011年の事故当初から懸念されていたことである。現在に至るまで対処を遅らせ、汚染水の増大を招いたことに関する政府と東京電力の責任は極めて重大である。海洋放出ではなく、デブリの空冷化を含め、汚染水の発生を止めるよう最善を尽くすべきである。
  4. 福島第一原発の廃炉を事故から30~40年で完了し、なおかつ溶け落ちたデブリを取り出すという政府・東京電力の「廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ」には根本的な無理がある。原子力市民委員会は設立当初から、事故炉を100年以上隔離し、放射能の減衰を待つことが、現実的かつ合理的な「後始末」の最善策であると主張してきた。政府・東京電力が直ちに取り組むべきことは、汚染水の海洋放出ではなく、廃炉ロードマップの根本的な見直しである。
以 上

(声明の「詳細説明」は、以下を参照)









原子力市民委員会声明(2020年10月20日)【詳細説明】

海洋放出反対・慎重を求める多数の声
 福島第一原発サイト内で増え続けるALPS(多核種除去設備)処理汚染水※1の取り扱いについて、2020年10月中に、政府が「海洋放出」の決定を行う方針であると報じられている。10月8日に経済産業省(以下、経産省)が開催した第七回「関係者の御意見を伺う場」で、全国漁業協同組合連合会(全漁連)と福島県水産加工業連合会が海洋放出に「絶対(断固)反対」を表明したばかりである。福島県内では、全自治体の7割を超す44市町村議会で、処分方法をめぐって決議や意見書が可決されており、その大多数が海洋放出反対や慎重な対応を求める内容となっている。福島県内の団体が呼びかけて経産省に提出された海洋放出反対署名は42万筆を超えている。
 また、経産省の「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」(以下、「小委員会」)が一般市民を対象に2018年に開催した「説明・公聴会」では、意見をのべた44人中42人が、海洋放出に反対した。今年2月に小委員会が報告書を出した後、政府は、一般への説明会や公聴会を一切おこなっていない。さらに、パブリック・コメントには4,000を超える一般市民からの意見が寄せられたが、現在までに開示されている7割以上が海洋放出に反対する意見であることが報じられている。このように政府によるきわめて限定的な意見聴取プロセスによせられた一般市民や漁業者の反対の声も無視されている。同様の懸念は、国際的にも広がっている※2。これらの声をないがしろにして、海洋放出を決定することは、あってはならない。

漁業者との約束を反故にする
 これまで、地元の漁業者は、事故直後から東京電力による汚染水の放出や漏洩に苦しめられてきた。2011年4月、東京電力は汚染水1万トンを「緊急時のやむをえない措置」として放出した。この時、漁業者との協議はなく、全漁連などは東京電力に対して抗議した。2013年には、原発構内の高濃度の汚染水が流出し続けていることを、東京電力は後から発表した。福島県漁業協同組合連合会(県漁連)が地下水バイパスやサブドレンの水を海洋放出することを了承せざるを得なかったとき、タンクにためられているALPS処理汚染水に関して、東京電力は「関係者の理解なしには処分をしない」と約束した。今回の決定は、もっとも配慮が必要な漁業者との約束を反故にする行為である。

さらなる被害や負担を被災者・国民にもたらす
 ALPS処理汚染水は、現在の計画において敷地利用に制約があるため、2022年夏頃に最大可能貯留量の137万㎥に達するという。規制手続きや放出に必要な設備の準備に2年程度がかかるため、年内に処分方法を決定する意向が政府から示されている。政府および東京電力は、タンクが増え続けた場合、2041~51年に完了を目指す廃炉作業に支障が出かねないとしている。海洋放出を急ぐ理由については「廃炉作業が完了する頃にはALPS処理水の処分も終わっていることが必要」※3と説明している。放出スケジュールは定かでないものの、東京電力は、30年程度かけてALPS処理汚染水を放出するものと考えられる。
 しかしながら、そもそも通常炉でも30年かかる廃炉を、事故後30~40年で完了することは不可能である。したがって、廃炉のために海洋放出が不可欠とする東京電力の主張は、海洋放出を推し進めるための詭弁にすぎない。
 現在タンクに保管されている処理汚染水には、トリチウム以外の多核種の放射性物質が含まれている。東京電力は「二次処理」をするとしているが、「二次処理」には多くの困難が予想され、放射性物質が完全に除去できる保証はない。また、「二次処理」の結果、どの核種がどのくらい残留するかは未だ示されていない。すなわち、結果的に放出される放射性物質の核種とその総量は明らかではない。議論の前提が整っていない状況である。そもそも、トリチウムの人体への有害性については諸説あり、薄めて流せば安全などというようなものではない。ALPS処理汚染水の海洋放出は、追加的な放射能汚染であって被害地域にさらに実害をもたらす。これを「風評被害」の一言ですますことはできない。

処分方法の代替案はある
 私たち原子力市民委員会は、2013年の発足以来、福島第一原発サイトの「後始末」について様々な見解を発表している。ALPS処理汚染水は海洋放出すべきではなく、これまでに、①堅牢な大型タンクでの長期保管、②モルタル固化して半地下での処分、といった既存の技術を使った堅実な処分方法を提言してきた※4
 ①については、現在の千トン級のタンクから、石油備蓄基地などで使われている10万トン級の大型タンクに置き換える提案である。これにより、面積あたりの貯水量が向上するとともに堅牢さが増す。また、長期保管により、半減期12.3年のトリチウムの放射能の減衰を待つことも可能となる。この大型タンク案は、当初、国・東京電力の選択肢に含まれていなかったが、2018年夏に経産省の小委員会が開催した「説明・公聴会」で海洋放出案反対の意見が圧倒的多数を占め、大型タンクによる長期保管を求める声が高まったことを受けて、「小委員会」でもとりあげられるようになった。しかし、小委員会では東京電力からの否定的な説明※5がそのまま採用され、適切な検討は行われなかった。
 ②については、処理汚染水をセメント・砂とともにモルタル固化させ、予め設置したコンクリートタンクの中に流し込むという提案である。これは、米国のサバンナリバー核施設で大規模に実施されている既存の技術を適用した処分方法である。これにより、海洋放出リスクを半永久的に遮断でき、固化後はトリチウムの減衰が可能となる。この案は小委員会で提示された「地下埋設案」に類似しているものの、東京電力が「事例なし」と資料に記載するなど、ほとんど検討されることがなかった。
 私たちが提示したモルタル固化案は地上置き(半地下)である。そのため、政府の地下埋設案よりも費用を削減することが期待できる。他方で、モルタル固化は、容積効率が低く(水は容積比で約1/4)、かつ半永久的な措置であるため、地元との慎重な協議を必要とする。小委員会では、福島第一原発敷地内外でのタンク保管エリアの拡大(北側土捨て場、中間貯蔵施設予定地など)について、委員から複数の意見や案が出された。これに対し、政府と東京電力は手続き上の制約からこれらの案を否定した。このとき政府は、地元に意向調査すら行っていないなど、代替案について誠実に検討したとはいえない。海洋放出のリスクや手続きと比較して、モルタル固化案により大きな困難があるとは考えられない。むしろ、安定して長期管理でき、かつ追加的汚染の可能性が極めて小さいモルタル固化のほうが優れている。

なぜ汚染水の発生は止まらなかったのか
 放射能による汚染水が福島第一原発の事故処理にあたって最大の障害となることは事故発生当初から認識されていたにもかかわらず、政府・東京電力が10年近く、「汚染水を止める」ことができなかったことは厳しく批判されるべきである。
 汚染水対策として、既存の技術を用いた陸側遮水壁の設置が早い段階で有力案として挙がっていた。しかし、その費用が約1,000億円と見積もられたため、政府・東京電力は高額との理由で採用しなかった。その後、福島第一原子力発電所のことを安倍晋三前首相が「アンダーコントロールにある」と世界に向けてアピールした2013年9月のIOC総会の時期に、凍土壁の建設が国の開発予算を投じて行われることが決められた(建設費は最終的に345億円にのぼった)。当初、2015年度には凍結完了するとされていたが、「世界に前例のないチャレンジングな取り組み」として実証試験から始まり、完成したのは2017年末になってであった。凍土壁の設計段階では「外部からの地下水流入がほとんどなくなる」とされていたが、現実には地下水バイパスやサブドレンを併用している現在も一日あたり約170㎥の汚染水が発生している。
 原子力市民委員会は、汚染水問題を抜本的に解消する手段として「デブリの空冷化による冷却」を早くから提唱していた※6。これについて、東京電力の対応は極めて遅く、2019年に入ってようやく注水冷却を一時的に停止する試験を始めた。総じて言えば、汚染水発生を抑止する方法があるにもかかわらず、政府と東京電力は、適切な時期に対策をとることを怠ってきたといえる。これが、汚染水発生を止められなかった最大の原因である。
 その一方で、政府は、2013年12月に「トリチウム水タスクフォース」、2016年9月に「ALPS処理水の取扱いに関する小委員会」を立ち上げ、膨大な時間を費やしていった。その結果、結局は、根本的対策をとらないまま海洋放出という最悪の選択をとろうとしている。

海洋放出ではなく、廃炉ロードマップの見直しが必要
 廃炉・汚染水対策関係閣僚会議が策定した「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ※7」(以下、廃炉ロードマップ)では、ステップ2完了後の30~40年後で廃止措置が終了するとしている。加えて、政府は「廃炉作業が完了する頃にはALPS処理水の処分も終わっていることが必要」と説明している。しかし、この期間に廃止措置を完了することは不可能である。事故を起こさずに運転を終了した原子力発電所であっても廃止に約30年を要する。すでに2011年12月のステップ2完了から約9年が経過しており、残された期間は最大で31年しかない。チェルノブイリやスリーマイルの事例からもこのような短期間で「廃炉作業が完了」することはあり得ない。
 廃炉ロードマップの中心課題は燃料デブリ(以下、デブリ)※8の取り出しにある。政府と東京電力は、汚染水タンクをこれ以上増やせないのは、「原子炉内から取り出したデブリを一時保管する施設」の建設のための敷地が必要であるからだとも主張している。しかし、置き場以前の問題として、そもそもきわめて高レベルの核物質がコンクリートや鋼製構造材と融合固着しているデブリを全量取り出すことは本質的に無理である。
 事故炉内のデブリは、いまだ、形状や位置すら正確には把握されていない。また格納容器内の放射線量は80Sv/hという極めて高濃度であることも2017年2月の調査でわかっている。事故後9年の間に、デブリ取り出しのための現場調査やロボット開発が営々と積み重ねられたものの、いまだにその技術は確立していない。東京電力は、2021年3月期から2032年3月期までのデブリ取り出し準備費用に1兆3700億円かかり、その後の実質的な取り出し費用は「想定困難」としている。つまり、技術的、工期的、資金的に、デブリ取り出しは全く見通しが立っていない。見通しのないデブリ取り出しを、ALPS処理汚染水放出の理由にしてはならない。
 仮にデブリの部分的な取り出しに成功したとしても、デブリは、キャスクに入れ、キャスク保管施設を敷地内に建設して収容するしかないが、これは、デブリが格納容器内に静置されている現状と比べて、はるかにリスクの高い状態である。保管期間がどの程度になるのか(何十年続くのか何百年になるのか)は、現在全く見通せていない。敷地内に置き、長期間、放射能と崩壊熱の減衰を待たざるをえないのであるから、危険を冒してデブリを無理に取り出さず、格納容器内で遮蔽管理するほうがよほど合理的である。
 原子力市民委員会では、外構シールドを建設し、デブリ取出し作業を100年後、200年後に延期するか、あるいは半永久的に現在の位置に保管することを2度にわたって提唱してきた※9。これらの方法のほうがより安全で現実的である。
 政府および東京電力は、非現実的かつ非合理的な廃炉計画に固執するという過ちを犯している。政府および東京電力は、これまで汚染物質を環境に放出すべきでないという原則に基づき、敷地にタンクを建設し、ALPS処理汚染水を保管してきた。自らの方針を覆し、ALPS処理汚染水を海洋放出するのは二重の誤りである。

事故収束のマネジメント体制を再構築せよ
 なぜこのような事態が続くのか。政府は、原子力推進政策を維持する方針を貫くために、事故の被害を小さく見せ、早急に処理できるという印象を社会的に与えようとしているからである。非現実的な廃炉ロードマップに固執し、ALPS処理汚染水を海洋放出しようとする根本には、原子力推進政策がある。
 事態をさらに深刻にしているのが、事故収束の「無責任体制」である。事故の収束作業は、政府と東京電力に、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)、国際廃炉研究開発機構(IRID)、日本原子力研究開発機構(JAEA)などが加わり実施されている。問題は、それぞれの主体の責任が曖昧なことである。具体的には、廃炉ロードマップの工程決定のイニシアティブを誰が取るのか、プロジェクトの責任を負う管理者は誰なのかが明示されていない。多くの組織を関わらせたまま、意思決定の責任者を不明瞭にしていることが、客観的・合理的な戦略立案を妨げ、ひいては責任者を不在にする構造を形成している。加えて、作業にかかる費用の全体像が示されないまま、政府が単年度予算主義で東京電力を支援するという業務形態になっている。しかもその予算は、東京電力が株主に対して業績予測を報告する資料に「参考」として添付されているものである。国会や納税者たる国民には直接報告されていない。事故炉の処理費用は8兆円であることが政府によって示されている。しかし、東京電力の資料にすらデブリ取出し費用を「想定困難」と記載することからわかるように、総費用は不確実である。
 私たち原子力市民委員会は、政府に対し、ここで一度立ち止まり、福島第一原子力発電所の事故炉の現実を直視し、事故収束に向けたマネジメント体制を国の責任で立て直すこと、収束に向けた現実的な廃炉ロードマップを再構築することを強く要請する。政府がALPS処理汚染水の海洋放出を強引に進めれば、本来あるべき収束作業に軌道修正することは一層困難になる。「虚構」の廃炉ロードマップの延長線上に、真の復興はない。

以 上

 

※1 タンク水の約7割は、トリチウム以外、62の放射線核種の濃度が告示濃度比総和で1を上回り(全体としての濃度基準超え)、最大で19,909倍となっている(2018年10月1日東京電力発表資料)。残存している主たる核種は、ストロンチウム90、セシウム137、セシウム134、コバルト60、アンチモン125、ルテニウム106、ヨウ素129など(告示濃度比が最も高いのはストロンチウム90)。そのため原子力市民委員会は、「トリチウム水」や「ALPS処理水」ではなく、「ALPS処理汚染水」と呼ぶ。
※2 国連人権理事会特別報告者は2020年4月20日に汚染水の海洋放出の可能性について、「影響を受ける人々の人権享受に対して生じる深刻なリスクに関する懸念」を表明し、6月9日には「新型コロナ危機が収束し、適切な国際的な協議を実施するまで、汚染水の海洋放出に関するいかなる決定も先延ばしするよう日本政府に求める声明」を発出している。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page4_005162.html
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25940&LangID=E
※5 東京電力は、第13回小委員会資料の中で、(1)一基当たりの設置に3年、検査に1年を要する(2)敷地利用率は現在のタンクと大差ない(3)浮屋根式構造のため雨水混入の可能性(4)破損の場合の一基当たりの漏洩量が膨大といった説明を行った。これに対して原子力市民委員会は、(1)は1.5~2年あれば数基を建設可能(2)容積効率は向上する(3)ドーム型を採用すればよい(4)全量漏洩を前提とした防液提の設置はいうまでもない、と考える。
※6 原子力市民委員会「原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱」2014年4月 p.91 http://www.ccnejapan.com/?page_id=3000 
原子力市民委員会 特別レポート1『100年以上隔離保管後の「後始末」』2015 年6 月(初版)、2017年改訂版
http://www.ccnejapan.com/?p=7900
※8 メルトダウンした核燃料が他の様々な構造物と混じりながら、冷えて固まったもの。


トリチウム含む水処分 「海洋放出以外もっと検討を」市民団体

東京電力・福島第一原子力発電所で増えるトリチウムなどを含む水の処分をめぐり、原子力政策に提言などを行ってきた市民団体は、海洋放出ありきではなく、陸上で長期に保管して放射性物質の量が減るのを待つなど、ほかの選択肢をもっと検討するべきだとする声明を出しました。

福島第一原発で増えるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分について、国は、基準以下に薄めて海に放出する方法を軸に最終調整を進めているとみられます。

しかし海洋放出については、国の公聴会や意見を聞く会で反対意見が多くあがり、風評被害の心配などから全国漁業協同組合連合会も「絶対反対である」としています。

原発政策に提言などを行ってきた市民団体の「原子力市民委員会」は20日オンラインで会見を開き、反対の声をないがしろにして海洋放出を決定することはあってはならないとしました。

そして、大型タンクなどで長期保管をして放射性物質の量が減少するのを待ったり、モルタルで固めたりする、ほかの選択肢をもっと検討すべきとの声明を出しました。

また、廃炉を残り30年余りで終えるとする国と東京電力の計画には無理があるとして、時間とともに放射性物質が減る特性を利用し、壁などで防護をしながら100年以上かけて進めるべきとしました。


by hiroseto2004 | 2020-10-21 09:54 | 東日本大震災 | Trackback