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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

核兵器禁止条約発効確実受けてのコメント

核兵器禁止条約発効確実についてのコメント。

日本被団協のコメントの全文です。


【声明】核兵器禁止条約 50カ国の批准書(加入書を含む)の寄託にあたって

 被爆75年にあたる2020年10月25日、核兵器禁止条約の発効要件を満たす50カ国の批准書(加入書を含む)が寄託されました。
 2017年7月7日、ニューヨークの国連本部において、核兵器禁止条約が122カ国の賛成で採択されてから、まる3年の歳月を得て達成された快挙です。この日から90日を経た来年の早い時期に、核兵器禁止条約は発効することになります。名実ともに核兵器はこの条約によって禁止されます。被爆者が訴え続けてきた「核兵器なくせ」を実現する確かな道が開かれました。この日は、1945年8月に核兵器が人類の頭上にさく裂した日と合わせて、人類史上銘記される日となるでしょう。

 核兵器の禁止、廃絶を求め続けてきた私たち被爆者は、生きていてよかった、と心からなる大きな喜びを分かち合う日を迎えました。75年前、理由もわからぬまま命を奪われた数十万の原爆死没者と今日まで被爆者運動に死力を尽くした先達に伝えたいと思います。あわせて、国内外で長年にわたり、被爆者の運動を支え、核兵器の廃絶を目指し核兵器も戦争もない世界に実現する運動を共にしてくださった多くの個人と団体、条約の成立に尽力された各国政府および市民の皆さまと、喜びを分かち合いたいと思います。

 しかし、核兵器不拡散条約(NPT)で核兵器の所有が認められている核兵器国5カ国とその同盟国、他の核保有4カ国もこの禁止条約に反対し続けています。残念ながら唯一の戦争被爆国の日本の政府もその仲間に入っています。
 今日まで日本政府は「核兵器は人道法の精神に反するが実定法は存在しないので違法ではない」「国際司法裁判所は核兵器の威嚇と使用は違法としながらも、国家の存亡がかかる状況下での判断はしないとしている」ことをもって、「核兵器の使用は国際法では禁止されない」との見解をとり、核抑止による安全保障政策をとり続けてきました。
 これらの言い分はもはや成り立ちません。日本国政府、国会はいまや核兵器の全面禁止の先頭に立つべきです。直ちに核政策を転換し、速やかに核兵器禁止条約に署名、批准し核なき世界の実現の先頭に立つことをここで改めて要請します。

 被爆者は国内外で、原爆は人類と共存できない絶対悪の兵器であることを、証言し続けてきました。2016年からは核兵器の禁止、廃絶の条約をすべての国が結ぶことを求める訴えに対する国内外の市民の賛同を呼びかける「ヒバクシャ国際署名」を推進してきました。
 今や世界の核保有国の市民の多くが、核兵器が反人間的兵器で不要なものであることを知るところとなりました。しかも、莫大な費用や時間、人材をかけて製造し、所有することは、国際法違反となります。しかし、核兵器使用の危機は払しょくされていません。万が一使用されることになれば、その被害は計り知れません。
 被爆者の願いは、「ふたたび被爆者をつくらない」ことです。高齢化した被爆者に残された時間はわずかです。力のある限り平和を願うみなさんと共に、核兵器も戦争もない世界に向かって歩み続けます。

2020年10月25日
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

広島市長のコメント。

広島市長「核廃絶への一里塚」

核兵器禁止条約を批准した国と地域が条約の発効に必要な50に達したことを受けて、広島市の松井市長は、「条約は世界の市民社会が『ヒロシマの心』を共有するための新たな国際的な枠組みとなるもので、発効は核兵器廃絶に向けた重要な一里塚だ。50か国の達成は被爆者を始め、平和首長会議加盟都市など、思いを同じくする多くの方々の尽力の賜物だ。しかし、保有国や核の傘の下にある国はいまだ条約への署名・批准に反対の姿勢を崩しておらず、条約をより実効性の高いものにするための取り組みが次の課題だ」とコメントしています。

また、広島市長が会長を務め、核兵器の廃絶を目指す世界の7961の自治体で作る「平和首長会議」は、国連本部とすべての国連加盟国にメールで公開書簡を送り、条約の締約国会議への参加を求めました。
公開書簡では、「条約の発効が確実となったことを心から歓迎する。核兵器のない世界を熱望してきた被爆者の方々と心から喜びあいたい」と条約発効への期待を示しました。
その上で、「世界では未だに数多くの核兵器が存在する一方で、核軍縮は停滞している」と指摘し、「条約を包括的で実効性の高いものにするため、核保有国やその同盟国に対し条約の効果的な運用と発展に向けた議論や締約国会議への参加を強く要請していく」としています。






平和公園訪れた人から歓迎の声

核兵器禁止条約の発効が決まったことについて、広島市の平和公園を訪れた人たちからは、歓迎する意見が聞かれました。

広島市内に住む60代の男性は「批准した国と地域が50に達したのは喜ばしいことだと思います。ただ、日本が批准していないことは納得できず、日本の姿勢には憤りを感じる」と話していました。

また、京都府から訪れた20代の女子大学生は「条約が発効することは核兵器の廃絶に向けた小さな1歩かも知れませんが、積み重なれば大きなことにつながるかもしれないと思います。世界の平和に役に立つ条約であってほしい」と話していました。


by hiroseto2004 | 2020-10-25 16:48 | 反核・平和 | Trackback