アメリカ大統領選挙は、現地時間の3日朝、日本時間の午後8時から、東部ニューヨーク州や南部バージニア州などで順次、投票が始まります。
大統領選挙の勝敗は、各州に割り当てられた選挙人の獲得数で決まります。
全米50州のうち48州と首都ワシントンは、得票数で1票でも上回った候補者がその州のすべての選挙人を獲得する「勝者総取り方式」をとっていて、538人の選挙人の過半数にあたる270人以上を獲得した候補者が勝者となります。
今回の選挙は、トランプ大統領が担ってきた4年間に対する審判の場と位置づけられていて、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、選挙戦では、ウイルス対策か経済活動の再開かが大きな争点となったほか、人種差別の問題への対応や経済政策が有権者の関心を集めました。
民主党のバイデン前副大統領が世論調査で一貫してリードしてきたものの、最終盤、トランプ大統領が追い上げ競り合いとなっています。
また、感染拡大防止のため各州が郵便投票の制度を緩和したこともあり、2日時点で期日前投票を済ませた人は9880万人にのぼっていて、投票率はこの100年で最も高くなるという見方も出ています。
一方で、トランプ大統領は、郵便投票で不正が行われるおそれがあると主張していて、投票結果をめぐって法廷闘争になる可能性があるほか、トランプ大統領が一方的に勝利を宣言するとの見方も出ています。
社会の分断がかつてなく深まり、混乱が予想される選挙で、トランプ大統領が再選を果たすのか、それとも民主党のバイデン氏が政権を奪還するのか、世界の目が注がれています。
ホワイトハウス周辺 不測の事態に備えフェンス設置
トランプ大統領が3日、開票の状況を見守ることになるホワイトハウスの周辺では、2日夕方から不測の事態に備えて臨時のフェンスを設置する工事が始まりました。
作業は投票日の朝まで続けられるということで、作業員の男性らが高さ2メートルほどの鉄製のフェンスを組み合わせていました。
FOXニュースの番組に出演したホワイトハウスのマケナニー報道官によりますと、トランプ大統領は3日、選挙の開票状況をホワイトハウスから見守る予定だということです。
首都ワシントンでは3日の投票日に合わせてさまざまなデモが計画されていて、デモに乗じた略奪や破壊活動が広がることを警戒して街のあちこちで、建物の窓ガラスを木の板で覆う作業が行われています。