29日、東京メトロ東西線で目が不自由とみられる男性が電車にはねられ死亡した事故で、設置されたカメラにはホームの端で立ち止まることなく転落する男性の姿が写っていたことが分かりました。当時、反対側のホームには電車が止まっていて、視覚障害者の団体は、男性が電車が来ていると誤認した可能性もあるとしています。
29日昼すぎ、東京・江東区の東京メトロ東西線の東陽町駅で、男性がホームから転落して電車にはねられて死亡し、警視庁は、江戸川区に住む目が不自由な60代の男性とみて身元の確認を進めています。
東京メトロによりますと、ホームに設置されていたカメラでは、男性は白杖(はくじょう)を持っていたものの地面をつくことはなく、ホームの端でも立ち止まらずにそのまま転落する姿が写っていたということです。
さらに、反対側のホームには別の電車が止まっていて、現場を調査した視覚障害者の団体によりますと、男性が、自分のホームに電車が止まっていると誤認した可能性もあるとしています。
東京メトロによりますと、当時は、ホーム上にいた警備員がすぐに転落に気付き、非常停止ボタンを押しましたが、間に合わなかったということです。
現場では、ホームドアの設置工事が進められ、来年の2月に運用が開始される予定でした。
現場を調査した江東区視覚障害者福祉協会の山本恭子会長は、「電車が止まった状態だと別のホームにいる電車を自分の側に止まっていると間違えてしまうことがある。あと少しでホームドアが出来ていたと思うととても残念です」と話していました。