公職選挙法違反の罪に問われている河井克行元法務大臣の裁判で、証人として出廷した北広島町議会の元議長は、元大臣から「自民党本部が応援しているので、案里を応援してほしい」と依頼された後、現金20万円を渡されたと証言しました。
元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選した去年の参議院選挙をめぐって、公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。
4日の裁判では、ことし9月に議員辞職した北広島町議会の宮本裕之元議長が証人として出廷し、去年3月に自宅を訪れた元大臣から現金20万円を受け取ったことを認めました。
この時の状況について、「元大臣が当時の安倍総理や菅官房長官と案里議員が一緒に写っている新聞か雑誌のコピーを10枚ほど見せてきた。そして、『大変厳しい選挙だが、うまくやれば2人、自民党から当選することも可能だ。党本部が応援しているので、案里を応援してほしい』と言われた」と説明しました。
このあとのやり取りについて、元議長は、「元大臣が突然白い封筒を取り出して、『これは安倍総理からです』と言ってテーブルの上に置いた。安倍総理が私にお金をくれるとは考えられないので、党本部が案里議員を応援していることを知らせたかったのだと思う」と証言しました。
元議長は封筒を返そうとしたものの押し返されたとして、証言台でその時の様子を手を動かしながら説明していました。