タイで続く反政府デモで若者たちが国王への批判を強める中、ワチラロンコン国王は前国王の誕生日を祝う式典に出席しました。式典には多くの支持者が集まり、国民の間での人気ぶりをアピールしました。
タイのワチラロンコン国王は5日、首都バンコクで前国王の誕生日を祝う式典に、王妃とともに出席し、王宮の近くの広場で開かれた式典にはおよそ5万人の支持者が集まり、熱烈な歓迎を受けました。そして、国の安定と繁栄を願うメッセージを読み上げたあと、支持者たちの間を歩いて移動しことばを交わすなど交流しました。
式典に参加した男性は「この集まりぶりを見て真実を理解すれば、デモは収まるはずです」と話し、支持者の女性も「国王を非難するのなら、この国に住む資格はない」などとデモ隊を非難していました。
反政府デモが続くタイでは、若者たちが、プラユット首相の辞任などとともに、王制改革を求めていて、国王による政治への介入や王室財産の使いみちの不透明性などを指摘して批判を強め、王室と関わりのある施設に向けてデモ行進するなど圧力をかけています。
これに対し、プラユット政権は、国王を批判するデモ隊の言動を抑え込むため、王室への中傷を禁じる不敬罪の適用に向けて警察が若者たちを取り調べるなど取締りを強化していて、デモ隊との間で緊迫した状況が続いています。