新型コロナの患者を受け入れる大阪市内の病院に勤務する看護師の女性がNHKの取材に応じ、感染者の急増で医療現場はひっ迫する中、新たな患者を出さないことが何より大切だとして「コロナを軽く考えず、不要不急の外出を控えてほしい」と訴えました。
中等症と軽症の新型コロナの患者を受け入れる大阪市内の病院に勤務する30代の女性看護師は、ふだんは整形外科の病棟にいますが、ことし8月から新型コロナの患者の治療にあたる病棟に応援で入っています。
女性は、病院ではこのところ特に高齢者の患者が増えていると指摘し、「高齢者は酸素吸入が必要な患者も多いうえ、各地の高齢者施設でクラスターが起きた影響で、認知症の患者も入院していて、治療以外のケアにも時間がさかれ、現場では看護師の人数が足りないと感じている」と訴えました。
また、女性は、感染は誰にでも起こりうるもので、医療従事者は全力で治療にあたるのが責務だとしたうえで、中には感染リスクが高いとされる飲み会などに出かけて感染する人も少なくないと指摘し、「一般の人がコロナを軽く考えすぎていると感じる場面が多々ある。我慢できずに遊びに行って感染した人には憤りを感じることもある」と心境を吐露しました。
女性は、コロナ患者を治療する病棟で勤務したあと、2週間は自身も感染のリスクがあるとして家族との接触を控えているということで、私生活への影響も大きく、精神的にも体力的にも限界だとして、病院を退職する考えです。
ただ、今辞めると、ほかの人にしわ寄せがいくため、来年3月までは踏みとどまって仕事を続けると話し、多くの医療従事者が使命感で何とかふんばっている現状を理解してほしいと訴えました。
女性は「コロナを軽く考えず、自分が感染源になって広げてしまうという自覚を持ってほしいし、極力急ぎじゃない不要不急の外出は、Go Toトラベルも含め、控えてほしい。自覚を持って行動してほしい」と訴えていました。