公職選挙法違反の罪に問われている河井克行元法務大臣の裁判で、証人として出廷した安芸高田市の前市長は、現金を受け取った際、「これは表に出ないお金だから」と言われたと証言しました。
元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選した去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。
弁護団の1人に新型コロナウイルスの感染が確認されたため、今月16日と18日の2回が中止になり、21日再開されました。
午前中、証人として出廷した広島市議会の沖宗正明議員は、元大臣から去年4月に30万円、6月に20万円を受け取ったと認めました。
沖宗議員は、10年以上前に市議会議員選挙に当選した際は、お祝いののし袋で10万円以下の当選祝いを受け取ったことがあると説明した上で、去年4月の当選後に受け取った金について、「多額で、のし袋にも入っておらず、選挙の応援依頼の言葉もあり、趣旨が違った」と証言しました。
午後は安芸高田市の児玉浩前市長が出廷し、県議会議員だった去年3月と5月にあわせて60万円を受け取ったことを認めました。
このうち、去年5月に現金を渡された際のやりとりについて、「『これを』と言って白い封筒を差し出してきた。現金が入っていると思ったので領収書を出した方がいいか確認するため、『どういう処理をしますか』と尋ねたところ、『これは表に出ないお金だから』と言われた」と証言しました。