広島市にある最大規模の被爆建物、「旧陸軍被服支廠」について、広島県が設置した有識者による検討会が開かれ、4種類の補強案ごとにかかる費用が示されました。
広島市にある被爆建物、「旧陸軍被服支廠」について広島県が設置した有識者による検討会が25日、開かれ、ことし10月から先月にかけて行われた建物の強度を確認する再調査の結果が公表されました。
それによりますと、4種類の補強案ごとに1棟あたりの費用も算出され、このうち▽建物を耐震化し博物館などとして活用する案はおよそ17億円7000万円で、前回・平成29年度の調査と比べて半分程度の費用となっています。
また、▽建物を耐震化し内部を一部のみ活用する案はおよそ13億2000万円と前回のおよそ6割の費用となったほか、▽耐震化して内部の立ち入りだけにする案はおよそ5億8000万円となっています。
一方で、▽耐震化をせずに建物を保存して外からの見学のみにする案はおよそ3億9000万円で前回より1000万円ほど減りました。
検討会の会長を務める工学院大学の後藤治理事長は、「被服支廠は重要文化財に匹敵する価値がある。建物の状況を慎重に確認しつつ整備されることを希望したい」と述べました。
県では、この結果などをもとに建物を保存するかどうか検討を進めていくことにしています。