ことしの夏に予定されている東京オリンピック・パラリンピックについて、IOC=国際オリンピック委員会の委員がイギリスの公共放送BBCのインタビューに対し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、予定どおり開催できるか確信できないという、みずからの考えを示しました。
東京オリンピックとパラリンピックは、去年の7月と8月にそれぞれ開幕する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でともに1年間延期されました。
延期されたオリンピックの開幕まで200日を切った7日、公共放送BBCはIOCのディック・パウンド委員のインタビューの内容を報じました。
この中で、パウンド委員は東京大会の予定どおりの開催について「私は確信できない。誰もが議論を避けているが、ウイルスの感染の急拡大が問題となっている」と、みずからの考えを述べました。
また、ワクチンについて、選手は優先的に接種を受けるべきだとしたうえで、IOCなどは、選手たちに日本への入国前に、接種を義務づける可能性があるとしています。
パウンド委員は、現職では最も長い40年以上にわたってIOC委員を務めていて、去年も、感染が拡大する中、東京大会の開催に慎重な意見をいち早く示していました。
東京大会をめぐって菅総理大臣は、1都3県に緊急事態宣言を出したあとの7日の記者会見で、感染対策を万全にして安全で安心な大会を実現したいという考えを示したほか、IOCのバッハ会長も、予定どおり開催すると強調しています。