そう。第一波時点の情報から「日本大丈夫論」「若者大丈夫論」が横行しているのも、感染に歯止めがかからない
原因のひとつ。すでに、イランと同程度の感染者や死者が出ているわけで、そこは情報をアップデートしないといけない。
「そのうえで「20代や30代の人が『元気だし遊びや飲みに行きたい』というのは分かるが、大事な事実は、日本では今、1日に6000人以上の感染者が出て、60人や70人の人が毎日亡くなっているということだ。こうした事態を防ぐためには、不要不急の外出や飲み会や遊びを控えて、感染の傾向を下向きにする必要がある。緊急事態宣言が出ている今は、若い人もお年寄りもみんな一緒になって、感染を抑えるための行動を実践していかないといけない」と呼びかけていました。」
新型コロナウイルスに感染し回復したあとも、けん怠感や息苦しさ、それに味を感じない味覚障害といった“後遺症”とされる症状は若い世代にも多くみられるとして、医師は「新型コロナウイルスを軽く考えてはいけない」と訴えています。
東京 渋谷区にある「ヒラハタクリニック」では、去年3月以降、新型コロナウイルスの“後遺症”とみられる症状を訴える患者、700人以上の診療を行っています。
平畑光一院長によりますと、14日までに症状を分析した475人の患者のうち、10代から30代の若い世代が全体の47%に上ったということです。
新型コロナに感染したものの症状が軽い「軽症」とされ、宿泊施設や自宅で療養したあとに、後遺症の症状を訴える人が多いということです。
具体的な症状としては、複数回答で、けん怠感が95%、気分の落ち込みが86%、思考力の低下が83%、息苦しさが75%、髪の毛が抜ける脱毛が50%、味覚障害が30%となっています。
若い世代は重症化する人の割合が低いとされていますが、平畑院長は、“後遺症”とされる症状は若い世代にも多くみられ、長く苦しむこともあると指摘しています。
平畑医師は「最初の発熱などの症状は軽くても、その後の“後遺症”で学校や会社に行けなくなる人もいる。新型コロナウイルスを軽く考えてはいけないし、若い人も感染しないように気を付けることが大切だ」と訴えています。
脱毛に悩む20代女性
新型コロナウイルスが回復したあと、数か月してから髪の毛が抜ける脱毛の症状を訴える女性もいます。
関東地方に住む20代の女性は去年9月、職場で集団感染が発生し、検査を行ったところ、みずからも感染していることが分かりました。
発熱などの症状はみられず、無症状のまま自宅で静養し、回復しました。
しかし、感染から2か月余りがたった11月ごろから、髪を洗う際などに抜け毛が多いことに気付き、インターネットなどで調べると、新型コロナの後遺症として髪が抜ける症状を訴える人が多いことを知りました。
女性によりますと、特に髪を洗った際に抜け毛が多く、多いときには30本以上、抜けることもあり、毎日、排水溝を掃除しないと詰まってしまうということです。
現在も症状は改善せず、育毛剤を使ったり分け目を変えたりして、工夫しているということです。
女性は「いつまで症状が続くのか、今後、治るのか不安で仕方がないです。なぜこれほど苦しまないといけないのか。若い人の中には感染しても症状が重くならないと、新型コロナを軽視している人がいると思います。自分も症状が出なくて安心していましたが、回復したあとに影響が出る可能性があることを知ってほしい」と話していました。
専門家「今は感染抑える行動を」
日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は「若い人たちが重症化する例は少ないかもしれないが、メカニズムはまだよく分からないものの、呼吸が苦しい、頭が痛い、微熱が続くといった後遺症で苦しむ人が、かなりの数でみられていて注意しなければいけない」と指摘します。
また「変異した新型コロナウイルスについても分かっていないことは多いが、今までより広がりやすく、イギリスでは子どもたちにも広がりがみられるという報告もされていて、注意して見ていかなければいけない」としています。
そのうえで「20代や30代の人が『元気だし遊びや飲みに行きたい』というのは分かるが、大事な事実は、日本では今、1日に6000人以上の感染者が出て、60人や70人の人が毎日亡くなっているということだ。こうした事態を防ぐためには、不要不急の外出や飲み会や遊びを控えて、感染の傾向を下向きにする必要がある。緊急事態宣言が出ている今は、若い人もお年寄りもみんな一緒になって、感染を抑えるための行動を実践していかないといけない」と呼びかけていました。