日本海溝地震では六ヶ所村は震度6強程度。津波も10m以上 大丈夫か?再処理事業
2022年 03月 23日
日本海溝沿いと千島海溝沿いで起きる二つの巨大地震について、政府の中央防災会議の作業部会は22日、防災対策の報告書を公表した。国や自治体などの関係機関に対し、積雪や寒さで避難が遅れたり、体調が崩れたりしないよう対策を求めたほか、マグニチュード(M)7以上の地震が起きた場合、より大きな地震に備えて住民らに日ごろからの備えの再確認を呼びかけるよう提言した。
最悪の場合で、日本海溝地震が約19万9000人、千島海溝地震は約10万人の死者が出ると想定されている。二之湯智防災担当相は22日の記者会見で「人命を救う、被害を最小化する、回復をできるだけ早くする。3点を目標として防災対策を推進する」と述べた。16日に最大震度6強を観測した地震は、震源が福島県沖で、今回想定した二つの巨大地震の震源域には該当しない。
報告書は、冬は避難に時間がかかり、低体温症になるリスクもあると指摘。屋根で風雪をしのげる避難路や津波避難タワーを整備し、避難先には防寒具や暖房器具を備える必要があるとした。人口が少ない地域では自動車を用いた避難を、避難が難しい地域では高台への集団移転を検討するよう促した。
二つの巨大地震の想定震源域とされる三陸沖から根室沖にかけてとその周辺でM7以上の地震が起きた場合は、1週間にわたり水や食料の備蓄、家具の固定などについて確認するよう促す必要があるとした。2018年の北海道胆振(いぶり)東部地震で道内全域が停電した「ブラックアウト」を踏まえ、国と電力事業者には供給網の切り替えなどの対策を求めた。
内閣府が21年12月に公表した二つの巨大地震の被害想定は、千葉県以北の太平洋側を中心に最大震度7の揺れと最大約30メートルの津波が発生するとしていた。【井口慎太郎】