ロシアが悪いのは明らか、しかし日本の安全保障政策の教訓にするには背景分析が大事
2022年 04月 30日
まず、ロシア・ウクライナ戦争について、ロシアが悪いのは明らかです。
一方的な侵略である。ウクライナ東部の二州への「集団的自衛権」という口実も、
キーウ(キエフ)周辺まで侵攻したり、西部までミサイル攻撃などを正当化する理由に
なりません。
他方で、ウクライナというよりはNATO側が、ロシアをというかプーチンを刺激した
のも事実。この事実を無視して、「いますぐ日本がロシアに攻められる」という議論はナンセンスです。
日本は世界第5位とも9位ともいわれる軍事大国。専守防衛に徹しているかぎりそうそう
攻め込むのは難しい。ましてや占領を維持するのも難しいことはロシアのウクライナ侵攻で
もはからずも明らかになりました。
「いますぐ日本がロシアに攻められる」といわんばかりの危機アジリで、防衛費倍増とか
敵基地攻撃、核保有とか騒ぐのは危険です。
それをやれば、余計にロシアや中国、朝鮮を刺激する。そもそも日本は国連憲章の敵国条項
対象国。ヘたな動きをすれば、ボコボコにされても文句は言えないのです。
左派でも、きちんとNATO側がプーチンを刺激したことを分析する議論に対して
「親ロシア」と封じてしまう流れも強い。しかし、それだと、「いますぐ日本がロシアに攻められる」
といわんばかりの軍拡派(維新や安倍)の議論への反論が十分にできなくなるのではないか?
いま、昭和帝の写真削除を日本政府がウクライナに強要する事件で、日本は敵国条項の対象国なのに
第二次世界大戦の責任を否定している、反省していない、という疑惑の目を向けられています。
いまは、へたに動くべきではない。避難民支援、復興支援はきちんとやるとして、軍事支援は控えるべきだ。ウクライナも「戦争を反省していない日本」からの軍事支援は内心迷惑でしょう。
日本は当面は専守防衛を維持しつつ、緊張緩和へうごくべきだ。
また、食料安全保障、原発なきエネルギーの安全保障をきちっとすべきでしょう。
食料、エネルギーの安全保障をきちんとせずに、また最大の弱点の原発を残して
おいて、そもそも軍拡もなにもない。第二次世界大戦でも飢え死にした兵士のほうが
戦死した兵士より多いくらいですから。
運動レベルで言えば、特にロシアで弾圧にめげずに頑張っている反戦運動に連帯することです。プーチンと国民は別。ウクライナ人と親戚同士の人も多い。ロシア人への差別もやめさせる活動も大事です。
by hiroseto2004
| 2022-04-30 12:16
| ロシア・ウクライナ戦争
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