日本の公職選挙法は、治安維持法を引き継いで、個別訪問と文書活動を禁止
2023年 03月 30日
以下は衆議院選挙に際してのわたくしが加盟する全労連の呼びかけの中から抜粋しました。
日本の公職選挙法は、治安維持法を引き継いで、個別訪問と文書活動を禁止しています。
1 選挙の意義と自由な選挙
(1)選挙は主権者みずからが今後の政治の行方を決める重要な場 憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、・・・ 主権が国民に存することを宣言」と、国民主権、議会制民主主義を明記しています。
国政選挙は、主権者である国民が今後の国の政治の行方を決める重要な場であり、政党が中心になって多数派の獲得(政権の獲得)をめざすたたかいです。
(2)憲法にもとづいた「正当な選挙」を 憲法がいう「正当な選挙」とは、憲法第 15条(参政権)、19条(思想および良心の自由)、21条(集会・結社・表現の自由)などに裏付けられた自由な選挙でなければなりません。
それは、①選挙人の自由な投票、②必要な情報の提供、知る権利の保障、③自分の支持する政党や候補者の当選のために、他の選挙人に働きかける自由などを言います。そして、主権者の意思(民意)が選挙の結果としての議席数にも忠実に反映されることが求められます。この点から、民意を切り捨てる小選挙区制は廃止すべきです。 国際人権規約:市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)でも、選挙について、不合理な制限なしに、選挙人の意思の自由な表明の保障をするよう規定しています(25条)。
(3)憲法違反の日本の選挙運動の制限 ところが、日本の公職選挙法は、公示前の選挙運動(事前運動)を基本的に禁止している上に、選挙中も戸別訪問(注)を禁止し、文書活動も厳しく制限しています。
このような制限は、1925年の普通選挙法ができた際に、労働者・農民の代表を国会に進出させないために政策を伝える言論活動(戸別訪問、文書活動)を抑えようとしたものです。同時に、「選挙運動が勤労者の大衆的政治運動に発展する道を封じ込める」狙いがありました。この普通選挙法と同時に、治安維持法ができました。
戦後、日本国憲法が成立し、治安維持法は廃止されましたが、選挙運動の制限はそのまま維持され、さらに拡大していきます。公選法の言論活動の制限は、憲法に違反するだけでなく、国際人権規約にも違反しており、国連からも改善を求める厳しい勧告が出されています。
3 (注)戸別訪問 (公選法 138条で禁止されている行為)とは、以下の3つのすべてを満たす行為
①特定の政党と候補者のために投票を得させる目的で
②連続して訪問する意思を持ち
③有権者の家(又はこれに準ずる場所)を個々に訪問すること
したがって、街頭で出会った人や、用事で出かけた先で投票を呼びかける「個々面接」は、戸別訪問にあたらないので自由にできます。
【公職選挙法の制限の異常さ】
公選法は、選挙運動を包括的に禁止・制限しているため、当たり前のことでも条文でわざわざ「できる」としなければなりません。
「第 162条 個人演説会においては、当該公職の候補者は、その選挙運動のための演説をすることができる。」
(4)選挙のときこそ政治を大いに語ろう
選挙は、国民が政治を大いに語り合い、みずからの代表を選び、政治に参加する重要な機会です。選挙の時こそ、大いに政治について語り合うことが大切です
by hiroseto2004
| 2023-03-30 06:00
| 統一地方選2023
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