バイデンが急速にネタニヤフのはしご外し 内閣変更まで要求
2023年 12月 13日
今のバイデン「イスラエルは支持を失いつついる。ネタニヤフは内閣を変えないといけない。」
国連総会の緊急特別会合では12日、日本時間の13日にエジプトが提出した、ガザ地区の状況に深刻な懸念を表明した上で、人道目的の即時停戦を求めているほか、すべての人質の解放や人道支援の確保などを求める決議案の採決が行われました。
採決の結果、日本やフランスなど153か国が賛成、イギリスなど23か国が棄権、反対はアメリカやイスラエルなど10か国にとどまり、賛成多数で決議は採択されました。
ガザ地区の情勢をめぐっては、国連のグテーレス事務総長が安全保障理事会に対して停戦を求めるよう要請し、今月8日、人道目的の即時停戦を求める決議案の採決が行われましたが、アメリカが拒否権を行使して否決されていました。
国連の193のすべての加盟国が参加できる国連総会の決議は法的拘束力はないものの、国際社会の総意を示すものとされています。
国連総会ではことし10月、人道目的の休戦を求める決議が121か国の賛成で採択されましたが、今回はそれを30か国以上上回る国が賛成し、ガザ地区が危機的な人道状況に陥る中で、攻撃を続けるイスラエルと、イスラエルを擁護するアメリカの国際的な孤立が際立つ形となりました。
米国連大使 “ハマスを非難する内容なく不十分”
反対したアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は採決を前に演説し、「アメリカはハマスの残虐行為を明確に拒絶し、非難するよう、決議案の修正を求める。10月7日のハマスによるテロ攻撃が耐え難いと宣言するよう、強く求めるのは最低限のことだ」と述べ、エジプトが提出した決議案にはハマスを非難する内容が含まれておらず、不十分だと強調しました。
トーマスグリーンフィールド国連大使はイスラエル軍に対して、すべての民間人を保護するよう求めるとする一方、「ハマスはテロリスト集団だ。ハマスが殺人的なイデオロギーに突き動かされている限り、即時停戦はせいぜい一時的なもので、最悪の場合、危険なものになるだろう。われわれは真に持続可能な和平の土台を築くための努力をしなければならない」と述べ、改めてイスラエルへの理解を示しました。
イスラエル エルダン国連大使「停戦は死刑宣告のようなもの」
採決を前に演説したイスラエルのエルダン国連大使は「停戦ではハマスを生き残らせるだけだ。停戦はイスラエル人とガザの人たちにとって死刑宣告のようなものだ」と述べた上で、「ガザでイスラエルの軍事作戦を続けることが人質を解放する唯一の方法だ」と主張しました。
【賛成した153か国】
採決で賛成したのはパレスチナを支持するエジプトやUAE=アラブ首長国連邦などアラブ諸国のほか、日本やフランス、カナダといったG7=主要7か国のメンバー国の一部、それにロシアや中国、インドやブラジルも賛成しました。
アジアではタイやインドネシアなど、アフリカではケニアや南アフリカなども賛成しました。このほか、アメリカと対立する北朝鮮やイランも賛成にまわりました。
【棄権した23か国】
今回の採決で棄権したのは以下の23か国です。
<アルゼンチン、ブルガリア、カボベルデ、カメルーン、赤道ギニア、ジョージア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、マラウイ、マーシャル諸島、オランダ、パラオ、パナマ、ルーマニア、スロバキア、南スーダン、トーゴ、トンガ、ウクライナ、イギリス、ウルグアイ>
【反対した10か国】
採決で反対したのはアメリカやイスラエルのほか、オーストリア、チェコ、グアテマラ、リベリア、ミクロネシア、ナウル、パプアニューギニア、パラグアイの10か国でした。
26か国が棄権から賛成にまわる
国連総会ではことし10月27日に、人道目的の休戦を求める決議が121か国の賛成で採択されましたが、このときは44か国が棄権にまわりました。
この44か国のうち、今回の採決では以下の26か国が賛成にまわりました。
<アルバニア、オーストラリア、カナダ、キプロス、デンマーク、エストニア、エチオピア、フィンランド、ギリシャ、アイスランド、インド、日本、ラトビア、モナコ、北マケドニア、フィリピン、ポーランド、韓国、モルドバ、サンマリノ、セルビア、スウェーデン、チュニジア、ツバル、バヌアツ、ザンビア>
賛成した理由についてカナダのレイ国連大使は採決のあとの演説で、「ハマスを倒す代償が民間人の絶え間ない苦しみであってはならない。カナダは決議が求める人道的な停戦が民間人を保護するために必要な措置だと判断して、これを支持する」と説明しました。
国連本部の前では即時停戦を求めるデモ
決議案の採決にあわせて12日、ニューヨークの国連本部の前では、パレスチナを支持する人たちおよそ200人がガザ地区での即時停戦を求めるデモを行いました。
集まった人たちは国連本部前の道路の幅いっぱいに広がって並び、パレスチナの旗や垂れ幕などを掲げて、「いますぐ停戦を」と訴えたほか、先週、国連安保理で停戦を求める決議案に拒否権を行使したアメリカを非難する人もいました。
さらに、「大量虐殺に対してそれぞれの国がどのような立場なのか、きょう、世界は知ることになるだろう」と声をあげ、即時停戦を求める決議案の採択を呼びかけていました。