〈近衛文麿〉化するイスラエルと〈国徳〉を失う米欧デモクラシー国家と平和都市広島の課題
2023年 12月 23日
https://youtu.be/zWNb4zQ3hmo
2023年は米欧の国徳が失墜してしまった年。
2022年のロシアのウクライナ侵攻という「敵失」で、一瞬、ロウソクが
消える前の輝きのように西側の権威が相対的に盛り返したかに見えた。
しかし、「10・7」が起きるまで、イスラエルによるパレスチナ侵略を
事実上放置しておいたツケを払わされる。
米欧は、ハマスを非難したが、その後はイスラエルが2万人のガザ住民を虐殺。
7割が女性・子どもという有様。この蛮行を後押ししてしまった。
いわゆるリベラルデモクラシー国家の旧白人帝国主義国家としてのご都合主義があらわになる。
1989年の冷戦崩壊で、フランシス・フクヤマは歴史の終わりを宣言した。
リベラルデモクラシーが、世界を覆い、平和がやってくるという幻想を振りまいた。
しかし、1980-90年代の新自由主義は、先進国内部では格差を拡大。
民主化したはずの東欧諸国でも、格差が拡大し、民主主義への信頼が地に墜ち、
ポーランドやハンガリーのような民主主義から離脱の動きが広まる。
ロシアやウクライナと言った旧ソ連諸国もオルガリヒによる専制、腐敗が進む。
さらに、2016年頃以降には、米欧内部でも、権威主義が伸張。
米国のトランプや、イタリアのメローニ、英国のジョンソンなど、欧州的デモクラシーや
ポリコレに懐疑的な首脳が次々誕生。
日本では、腐敗の限りを尽くした安倍晋三さんが、人手不足による就職難改善
など、天祐も得ながら、ウケてしまう。
こうした中で、侵略者でありながら、一応、中東におけるデモクラシー国家だった
はずのイスラエルも、ネタニヤフ被告人のもと、司法の「日本化」など、権威主義へ進む。
その矢先に起きた「10.7」でイスラエルはデモクラシー国家からファッショ国家へ移行。
ネタニヤフがこの間のピンチを切り抜けた中で宗教右派に頼ってしまった経過から、彼らの
いうことを聞かざるを得なくなり、近衛文麿化。引っ込みがつかなくなり虐殺へ暴走する。
そもそも、米欧の優位は、中印が19世紀に近代化に乗り遅れたことによる一時的なものだったとも
言える。それが、崩れるのは時間の問題だった。
2021年にアフガン戦争で米国は敗北。冷戦崩壊以降の米国優位時代はここに終了した。
米国はこうした中で、〈近衛文麿化〉した(準)同盟国を中露やイスラムに対して闘いの矢面に
立たせ、自分たちは、武器を売りつけるだけ、後ろからアドバイスを送るだけの戦法に切り替え。
沖縄においても自衛隊に基地をつくらせ、ミサイルを配備させる一方で、米軍自体は、
戦闘機の常駐を止め、ローテーションで世界から替わりばんこにやってくる方式に変更。
いつでも退却できる体制に。
問題は、米欧の国徳低下で、環境や、特に女性をはじめ、マイノリティーの人権と言った価値が損なわれる
危険が高まることだ。
いわゆるグローバルサウスといっても色々な国がある。
マスコミが持ち上げるインドも最近ではデモクラシー国家からモディ独裁国家へと変質しつつある。
正直、人権やデモクラシーという面では、多くのグローバルサウス国家に対しては不安感を抱かざるを得ない
実情があるのも事実だ。
ただ、それも、米欧が庇いまくってきたイスラエルが女性・子どもを大量虐殺したことで、説得力を失ってしまった。
2023年の広島はG7サミットにより、米国忖度色を強めてしまった。これは、失敗だったのではないのか?
西側の核を正当化する舞台になってしまった。
アジア発での、一人一人を大事にする平和主義の発信地としての広島を。
1994年に開催された広島アジア大会。初めて加害責任を認めた平岡市長のもとで、一国一館運動なんてありました。
もう一度、加害責任について総括すべきは総括した上で、原爆投下についてはやはり米国の謝罪を引き出す必要がある。
そうでないと、西側以外の陣営の核に対する批判と整合性が取れなくなる。
ただ、そのためにも広島の政治を市民、県民の手にまず取り戻すことだ。
元々、広島の政治自体が、権威主義的であった。鮫島伝次郎的体質が強くあった。その付けが出た形である。
by hiroseto2004
| 2023-12-23 23:25
| 反核・平和
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