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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

輪島 市営住宅で在宅避難続ける高齢者 支援必要も「大丈夫」

大丈夫、大丈夫は大丈夫ではない。
これはよくあることです。
支援の必要性は長期化してきますね。

輪島 市営住宅で在宅避難続ける高齢者 支援必要も「大丈夫」 | NHK | 令和6年能登半島地震



石川県輪島市にある市営住宅には、高齢者が多く暮らし、中には1人暮らしで在宅避難を続ける人もいます。地震で生活に支障が出ている高齢者もいますが、「大丈夫だ」などとして、支援を求める声が上がらないケースもあり、支援のニーズを把握する難しさが浮き彫りになっています。

輪島市二勢町の市営住宅は、70代以上の高齢者が多く暮らす団地で地震のあと、1か月以上、在宅避難を続けている人たちがいます。

40世帯余りが住む棟の責任者を務める大塩政一さんによりますと、地震から3週間程度は寝たきりの人や、つえをつかないと歩けない人も、1人で暮らしていたということです。

大塩さん自身も地震で倒れた家具が右の眉に当たってけがをし、針をあぶって自分で縫うほどでしたが、自分より高齢の住民の暮らしぶりを気にかけ、近くの避難所に届いた食べ物や薬、下着などの物資を部屋まで届けたり、給水車の水を代わりに運んだりしているということです。

大塩さんは、何らかの支援が必要だと感じていますが、1月20日ごろ、2次避難の希望調査で同じ棟にとどまっていた20世帯余りを回った際も、すぐに希望を出した住民はわずかだったということです。

大塩さんは「行き先も期間もわからず避難するのは、みんな不安なのではないか。どこにも行くところがないので、断水さえ我慢すれば、雨風をしのげるここにいようという人も多い。『大丈夫』ではなく、我慢をしているだけで、みんなよく辛抱していると思う」と話していました。

市営住宅での避難者数 市は把握できず

輪島市によりますと、二勢町の市営住宅には、地震が起きる前の昨年末の時点で84世帯が住んでいたということです。

市は当時、このうち35世帯が高齢者向けの部屋に住み、このほかの部屋にも高齢者が住んでいることは把握していますが、地震のあと、この市営住宅で、どれくらいの世帯が避難生活を送っているかは把握できていないということです。

市は、自宅など避難所以外で避難生活を送っている被災者に対し、支援情報などを届けるため、連絡先などの登録を呼びかけています。

1人で暮らす91歳の女性 厳しい避難生活

この市営住宅に1人で暮らす91歳の女性は、耳が遠く足もほとんど動かない中、厳しい避難生活を送っています。

女性は、地震で家じゅうの家具が倒れて散乱してしまいましたが、足がほとんど動かないため、自力では片づけができず、心配して様子を見に来た隣の70代の住民に代わりに片づけてもらったということです。

県外に住む家族がたびたび訪れて、水などの物資を届けてくれるほか、ヘルパーが2、3日おきに食事などの世話をしてくれていますが、断水が続く中、トイレを我慢しておなかが痛くなり、おむつが必要になることもあったということです。

水洗トイレを載せた「トイレトレーラー」が近所にやって来たときも、段差があったため、利用するのを諦めたということです。

地震のあとは補聴器がほとんど使えなくなり、電話やテレビの音も全く聞こえなくなったということで、「電話でのおしゃべりができず、話し相手がいなくてさみしい。でも、私は住む家もあるし、皆さんに助けてもらっているので本当にありがたいです」と話しています。

在宅避難続ける80代女性 “気が引け物資取りにいけない”

市営住宅に1人で暮らす86歳の女性は、地震のあと、電気が使えるようになるまでのおよそ1週間、家にあったせんべいなどを食べてしのぎました。

団地内に設けられた避難所には、食料などの支援物資が定期的に届きますが、避難所には家が倒壊して住めなくなった人もいるため、気が引けて物資を受け取りにいけないといいます。

趣味はソフトバレーで、40年以上前から一緒に汗を流してきた仲間たちがいましたが、地震のあとは、ほとんどが輪島市を離れ連絡がとれなくなりました。

断水が続いているため、地震のあとは一度もお風呂に入れていないといいます。

毎日飲んでいる血圧を抑える薬や、ストレスを和らげる薬が足りなくなると、亀裂や段差がある道を往復30分かけて歩き、かかりつけの診療所に行っています。

それでも女性は今の暮らしについて、「別に大変ということはなく、大丈夫。戦争中よりもひどい経験をしたけれど、生きているだけでよかったと思っています。畳の上に横になって寝られるだけありがたいと思わなければ」と話しています。

専門家 “本当に「大丈夫」か フォローが求められる”

福祉防災学が専門の同志社大学の立木茂雄教授は「『大丈夫ではないです』と言うことは、自分を周りよりも弱い立場にあると認めることになる。だから皆さん『大丈夫です』と答えていて、自分の尊厳を守るために、極めて理にかなった反応だ」と指摘しています。

そのうえで、「『大丈夫です』と答える気持ちに思いをはせながら、背後にある困り事や支援の必要性にアンテナを張ることができる福祉の専門職の方々が被災者と接触し、本当に大丈夫かをフォローしていくことが何より求められている」と話しています。


by hiroseto2004 | 2024-02-09 23:17 |  北陸大震災2024 | Trackback